1:リバランスを目的としている

 まず、リバランスとは、相場変動によって変化した資産の配分比率を当初の状態に戻す作業です。

 特定の資産(ファンド)が値上がりして配分比率が高くなると、必然的にその資産のポートフォリオにおける影響力が大きくなります。影響力が大きくなると、そのファンドが急落した場合、ポートフォリオ全体がダメージを受けることになります。

 そこで、上昇した資産を売り、比率の低下した資産を買い増すことで資産配分を元の比率に修正し、同時にポートフォリオ全体のリスクも当初の水準に戻すのです。リバランスという一連の行為に、利益確定の売却が含まれている点が特徴です。

 足元の市場環境に照らし合わせて例えるなら、含み益が出ている米国株式を売却して、その売却分で相対的に割安な水準にある新興国株式や、代替資産の金(ゴールド)を購入(または買い増し)するイメージです。

 リバランスを実践する上で重要なのは、「相対的に出遅れている」、または「(価格が)戻り切っていない」資産や地域にもきちんと目を向けることです。

 2020年以降の米国株式の上昇は目を見張るものがありますが、長期資産形成に資するポートフォリオを作る上では、グッと我慢して、米国株ファンドの追加購入は見送りましょう。