米景気、順調に回復も、過熱感はない

 8月6日に、7月の米雇用統計が発表となりました。非農業部門の雇用者数は前月比94万3,000人増と、順調に回復が続いています。コロナ対策の失業給付が終了し、労働者が徐々に職場復帰しつつあると考えられます。失業率は5.7%と前月比で0.2%低下しました。

 ただし、コロナ影響が出る前の2020年2月の3.5%と比べると、まだ高い水準です。雇用のデータから、すぐにテーパリング(金融緩和の縮小)を迫られるほどの回復ではありません。ただ、着実な回復が続いていることから、米景気失速を払しょくする効果はありました。

米雇用統計・非農業部門雇用者増加数(前月比):2019年1月~2021年7月

出所:米労働省

米雇用統計・完全失業率:2014年1月~2021年7月

出所:米労働省

「米景気好調でも、すぐ金融緩和が終わることはない」と都合の良い解釈が広がっていることが、米国株が最高値圏に上昇させた原動力です。