金(ゴールド)を持つ変動要因の多様化も進行

 近年、実はもう一つ、金(ゴールド)市場で多様化が進んでいる分野があります。「変動要因」です。以下は筆者がイメージする金市場を取り巻く6つのテーマです。

 近年の金相場は、「有事と言えば金高」、「株安と言えば金高」などと、材料を点でとらえる旧態依然の考え方では正しく分析することはできません。

 前回の「五輪と金メダルを通じて、金(ゴールド)相場を読む」で述べた通り、金市場に関わる以下の6つのテーマを俯瞰する、換言すれば、「同時に尊重する」ことが非常に重要です。

図:金市場の6のテーマ

出所:筆者作成

 足元、新型コロナのデルタ株の感染拡大が起きていることで、世界的に不安拡大が起きており、(1)有事のムードが拡大(資金の逃避先需要が増加)傾向にあると、考えられます。

 また、年初に急上昇したドル金利(米10年債利回り)が低下傾向にあることや、ビットコインなどの暗号資産価格が一時の高値から反落していることなどから、(3)の代替通貨の需要が増加傾向にあると考えられます。

 目先、株価が上昇して(2)の代替資産の側面で下落圧力がかかったとしても、上述のとおり(1)および(3)起因の上昇圧力がかかれば、金(ゴールド)価格は上昇する可能性があると、筆者は考えています。

 また、代替6つのテーマの時間的な影響力のイメージは以下です。

図:6つのテーマが与える金市場への影響(イメージ)

出所:筆者作成

 本レポートが、皆さまのお役に立てば幸いです。

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純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

商品CFD(金・銀)