なぜ金(ゴールド)と人類の付き合いは長いのか⁉

 金(ゴールド)と人類の付き合いについて考える際、金が持つ物質的側面に注目しなければなりません。金の融点(熱した時に溶解する時の温度)は、およそ1,064℃です(銅の1,084度に近い)。

 金属を加工する際、何かを熱して高温の環境をつくり出す技術が必要ですが、融点が鉄(1,538度)やプラチナ(1,768度)よりも低いことは、古代エジプトや古墳時代の日本でも、金(ゴールド)を加工することを可能にしたと考えられます。

 人類が、「早くから金(ゴールド)を加工するための技術を習得できたこと」は、人類と金の付き合いが長いことと、深い関わりがあると、言えるでしょう。

 その他にも、「魅惑の輝きを放つこと」、「汎用性があること」、「溶解して繰り返し使えること」、「さびにくく形を保存できること」、「人類が金(ゴールド)に価値があるとみなしたこと」などが、有史以来、常に人類の身近に金(ゴールド)があった理由であると、考えられます。