年100万円積立、年8%リターンと、年250万円積み立て、年4%リターンはどちらが勝つか?

 簡単なモデルを提示します。25歳に一念発起、45歳のFIREを目指して20年の積立投資をするモデルです。

モデルA(高利回り追求)
年100万円の積み立て、年8%のリターン確保

モデルB(積立額アップの追求)
年250万円の積み立て、年4%のリターン確保

月1回、積み立てたモデルを計算してみたところ、20年後のゴールは
モデルA:4,908万円
モデルB:7,641万円
となります。

 これをどう考えるかは、FIREへのチャレンジをどう考えるか、という問いそのものです。

 確かにモデルBのほうが資産額は1.56倍になります。しかし積立元本は2.5倍多いわけですから、物足りないともいえます。

 投資期間も同一、初期元本も同一(この場合はゼロスタート)ですから、残された違いは、「運用利回り」ということになります。

年8%以上の収益確保のため、運用にかかる負担はどうか?

 考えてみたいのは、年4%の運用収益確保と、年8%以上の運用収益確保、それぞれの実現可能性と、そのための手間ヒマなどの負担です。

 国内外への分散投資をインデックス運用で行えば、年平均4%のリターンというのは不可能な数字ではありません。これは過去の実績でも説明できます(つみたてNISA[ニーサ:少額投資非課税制度])の金融庁資料などを見てください)。

 そして、ほとんど手間がかかりません。ただ愚直なまでにインデックスファンドを買い続けるだけでいいからです。運用プロセスは自動化して、仕事に集中することができます。うまくいけば貯蓄原資をもっと多く出すことも可能でしょう。

 一方で、インデックスの実績をさらに4%以上、上回るための負担は小さなものではありません。例えば個別株で勝負をするなら、相当の時間を費やす必要があります。

  • 買い時のタイミングを見計らう
  • 売り時のタイミングを見計らう
  • 銘柄もしくはアセットクラスの良しあしを見極める
  • 景気判断をする
  • そしてそれらを間断なく続ける

 といったことを日々、続けることはできるでしょうか。

 あるFIRE達成者は100社以上の個別株を保有しているそうですが、当然それに倍する企業をウオッチしていることになります。

 年4%であれば、長期・積立・分散投資を基本方針として日々の株価の騰落は気にしなくてもよいでしょうが、それ以上をねらうなら短期的な売買も意識しなければなりません。

 あなたがもし「手間ヒマをかけることが好き」であればいいでしょう。しかし、そこまで投資好きではないなら、過剰な期待リターン設定は避けて、違うアプローチを取るべきです。