成功により近づくためにはファンダメンタルズ分析の重視を

 ここまでお読みいただいて、何か気づいた点はありませんでしたか。

 そうです。買った株を持ち続けると、その株が大きく上昇すれば大成功になる一方、大きく下落すれば大失敗となるのです。

 つまり、「買った株を持ち続ける」という行為は、その後の展開いかんで成功にも失敗にもつながるという点をぜひ理解してください。

 では、この点を踏まえた上で、どう行動していけばよいのでしょうか。

 一つ目はファンダメンタルズ分析をしっかり行って、銘柄選びの精度を高めることです。

 誰かからオススメ銘柄を聞いて何となく買ってしまうのではなく、ご自身で会社四季報、決算短信、会社のウェブサイトなどを見て情報収集、企業分析を行い、「将来さらに業績が伸びる可能性が高い」と確信した会社を選ぶようにしましょう。

「下がったら売る」を徹底すれば大損は回避できる

 ただ、はっきり申し上げて個人投資家がプロのレベルに匹敵するほどのファンダメンタルズ分析ができるかといえば、それは難しいというのが正直なところです。

 最も怖いのが、「この会社の株価は将来大きく上昇するはず!」と信じて持ち続けた結果、逆に株価が大きく値下がりしてしまうことです。塩漬け株を作らないようにするため、これだけは回避しなければなりません。

 そのために筆者が行っているのが、「買った株が25日移動平均線を割り込んだら売る」ということなのです。

 もし株価が天井をつけて大きく下がってしまうとしても、25日移動平均線を割り込んだら売る、としておけば小さな損失で済みます。

 逆に、まだ天井をつけていなかった場合は、株価がいったん下がった後、再度上昇に転じますから、25日移動平均線を超えたら買い直せばよいのです。

 こうすれば、株価の大きな下落による大きな損失を回避する対応をしつつ、株価上昇の恩恵を受けることができます。

 もちろん、大きく上昇する株であれば、途中で売買をせずにずっと持ち続けた方が、より大きな利益を得ることができます。途中で売買すると、売った価格より高く買い直すこともありますし、時には売った後、急騰して買い直せなくなる可能性もあるからです。

 でも、買った株が大きく上昇するかどうかは、後になってみないと分かりません。大きく上昇するかもしれないし、大きく下落するかもしれません。

 筆者は、株式投資で最も重要なのは「大きな損失を絶対に被らないこと」と考えています。大きな損失を避けつつ株価上昇に乗ることができるこの方法は、単に保有し続けるよりもはるかに安全度が高いのではないかと思っています。

 株価が大きく上昇する見込みのある株を保有したい、でも大きな損失は避けたい…という方、もしくは今まで塩漬け株で苦しんできたという方は、ぜひこの方法を試してみてはいかがでしょうか。