株価が上がり続ける会社が、いい会社じゃない?

 

奥野さん 
株価というのはあくまでも、会社の大きさを表す時価総額を発行済株式数で割ったもの。ある時点の株式市場で付いている「値段」に過ぎないよ。この株価に会社の価値がきちんと反映されているとは限らないんだ。

少し極端だけど、会社の価値が低くても、株式を買いたいと思う人が多ければ株価は上がるし、逆に会社の価値がどんなに高くても、株式を買いたい人がほとんどいないと株価は下がるよ。

シノちゃん 
そうか。私はてっきり株価が高い会社は、価値が高い、いい会社だと思ってたわ。

 

奥野さん でも、人気で株価が動くのは一時的なもので、長期的に見れば、必ず株価はその企業の「価値」を表すようになるよ。

そして、会社の価値を本当に表しているのは、商売をして得た利益である「営業利益」なんだ。

これは「お客さんのお困りごとを発見して、これを解決して得られる対価」とも言えるよ。

いろんな人が悩んだりしているお困りごとを発見して、どんどん解決しているから、利益も上がり続けるんだ。同じことをしているライバル会社もあるけれど、全然相手にならないくらい、圧倒的に優れている会社ほど、価値が高いんだ。

シノちゃん ライバルを圧倒している会社かー。私でも分かる、価値が高い会社って、どんなところがあるの?

奥野さん シノちゃんはスポーツ観戦が好きなんだよね。ナイキは分かるかな? バスケットボール、サッカー、テニスといったプロスポーツの世界はもちろん、最近では、お正月の箱根駅伝でも、ナイキの厚底ランニングシューズを愛用する選手が増えたことが話題になったね。

あのシューズは、トレーニングでの故障や疲労の蓄積といったランナーのお困りごとを解消したものだったんだ。

そしてナイキは、実績のあるプロ選手やチームとパートナーシップ契約を結ぶなど、巨額の費用を自社製品のマーケティング活動にあてて、ブランド力を強化してきたんだ。このマーケティング費用こそがナイキの最大の強みだよ。

シノちゃん そうなんだ。ナイキのロゴは、いろんなスポーツ中継で見るわよね。確かに、今から新しくスポーツ用品のブランドを立ち上げて、ナイキに挑もうなんて…なかなか無謀なことだって、私にも分かるかも…。

奥野さん ところでシノちゃんは「これがないと、私、生きていけない」って思うこと、あるかな?

シノちゃん 私、ディズニープリンセスがみんな大好き! 毎日いろんなプリンセスを観ないと生きていけない!

奥野さん お、いいね! シノちゃんが思うように、ウォルトディズニーがないエンターテイメントの世界なんて、もはや考えられないよね。

「これがないと、世の中が成り立たない」とみんなが思うくらいになるかどうか。これこそが「いい会社」の条件なんだよ。

シノちゃん そっか。私が好きなプリンセスも、お友達の岡本君が好きなスターウォーズも全部ディズニーだ。