共産党100周年に当たり「真っ赤」に染まる中国全土

 本日(7月1日)、中国共産党が結党から100周年を迎えます。天安門周辺で記念式典が行われ、習近平(シー・ジンピン)総書記が談話を発表するものと思われます。

 先週のレポートでも、100周年を前にして、記念式典に向けた第1回リハーサルや政治の季節を利用し、人民の愛国心に火をつけ、景気を活性化させようとするレッドツーリズムについて扱いました。

 6月26日夜から翌日朝にかけて行われた第2回総合リハーサルには3.3万人が参加し、入退場から現場のセキュリティーなど全アジェンダをチェックし、万全の体制で「七・一」を迎えるべく官民一体で盛り上げているようです。

 29日には、100周年を機に、「七・一勲章」授章式典が天安門西側に位置する人民大会堂で開かれ、中国共産党の発展に貢献してきた「優秀党員」(農村部の教師、作曲家など)が表彰されました。

 首都・北京を中心に、全国各地は「真っ赤」に染まっています。例えば、知人が送ってくれた江蘇省南京市の地下鉄車両内の映像を見ましたが、ドア、床、座席、手すりなどが真っ赤に塗られ、至る所に「祝中国共産党建党百周年」の広告が掲げられていました。

 私自身、北京で生活していたとき、そしてその後、中国の地へ足を運ぶたびに、政治の季節を中心に、街の至る所、ショッピングモールなど商業施設の中に張られ、掲げられている「紅色広告」(筆者注:共産党の功績を宣伝する広告)を目にしました。

 これを眺めながら、党・政府は業者に広告費を払っているのか、どこか業者が仲介しているのか、あるいは、「紅色広告」の掲載は政治命令であり、官民、室内外を問わず、「載せろ」と言われれば、他のどのような広告も差し置いて、党・政府に言われるままに載せなければならないのだろうか、などいろいろ考えこんだものです。

 一つ言えるのは、政治の季節になるたびに見られる、国全体が真っ赤に染まる光景は、中国共産党が中国という大地を統治していく上で極めて重要な「武器」だということです。

 中国建国の父・毛沢東(マオ・ザードン)が「鉄砲から政権が生まれる」と言ったのは有名ですが、「槍杆子(鉄砲)」だけではなく「筆杆子(ペン)」、つまり宣伝工作を駆使することで、政権を奪取、運営していく方針を徹底的に実行していました。

 その方針や実践は今でも変わりません。共産党政権の権威を保持し、中国の政治を安定させるために、世論を誘導し、異見を抹殺し、人民を“洗脳”することすら辞さない。100周年を迎えるに当たり、むしろその傾向は強まっています。