今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは111.05

下値メドは109.30

経済指標の景況感指数は、実際の経済活動よりもワクチンのニュースに左右される

 21日(月曜)のドル/円は円高回避で少し円安。高値110.35円、安値109.71円、1日の値幅は0.64円。 

 先週17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)後に急上昇したドル/円。111円を目指したものの手前でUターンして今は再び110円前半のレンジに引きこもっています。

 週明けは110.20円からスタート。東京時間に110円を下抜けて一時109.71円まで下げましたが、さすがにこの水準は固い。その後は緩やかに上昇を続けNY時間夕方に高値110.35円をつけました。終値は110円台をキープして110.32円(前日比+0.10円)。下がりもしないが、上がりもしない。下のチャートにあるように、先週のドル/円の1時間の平均値幅はたった0.12円しかありません。

 この日のNY株式市場で、ダウ平均株価は6日ぶりに反発しました。市場の混乱は少し落ち着いてきたようです。FOMCで何か政策が変わったのかというと、何も変わっていない。しかしFOMCでマーケットの考えは全て変わりました。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は「ハト派で、インフレが起きてもしばらく利上げはない」とマーケットは信じていました。ところがドットチャートが「2年後までは据え置き」から「2年後までに2回利上げ」へ中心予想が上方修正された。これに激しく反応してドルのショートポジションの清算が始まったといわれています。

 ドットチャートについてカプラン・ダラス連銀総裁は、「コロナ危機を脱しつつある米経済の見通しが飛躍的に改善した」ことを反映していると、前向きな説明をしています。同時にドットチャートは、FRBの政策を反映したものではなく「あくまでもFOMC各メンバーの予想」だとパウエルFRB議長は繰り返しています。FRBの公式見解は、インフレは短期的に上昇しても、所詮「一過性」で終わるということです。

 FRBとマーケットの対話ツールであるはずのドットチャートが、今回は混乱を招いたようです。しかし、問題はそれだけではありません。なぜFRBの想定以上にインフレが上昇しているのか、そしてなぜインフレが年末までに沈静化するのか。マーケットが納得するような根拠が示されなければ、混乱はまだ続く可能性があります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

最初に細心の注意を払っておくと、後でトラブルが発生するのを防げる。増えた体重を減らすより、適正体重を保つほうがずっと簡単なように