先週のFOMC後、幅広い銘柄が下落。金融緩和は「ゲタ」から「足かせ」に?

 市場はこれまで享受してきた金融緩和策による恩恵がなくなってしまうことを嫌気し、幅広い銘柄が下落しました。以下の図はFOMC会見前日の6月15日(火)と会見から2日たった18日(金)の、主要銘柄の騰落率です。

図:FOMC直後の主要銘柄の騰落率(2021年6月15~18日)

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 コモディティ市場への影響、という点で見ると、以下のようになると、筆者は考えています。

図:足元のコモディティ市場全体の状況

 今回のFOMCは、コモディティ市場にとって、これまで景気回復期待増幅および代替通貨需要増加要因となり、全体的な底上げ要因として作用してきた「主要国の金融緩和」というテーマを、逆向きの、全体的な下落要因にしかねない要素を持っていると考えられます。

 金融緩和起因の全体的な上昇圧力が、今回のFOMCで下落圧力に180度方向転換する懸念が生じたことが、多数のコモディティ銘柄が下落した要因と考えられます。米国の金融政策が、今回のFOMCを機に、「ゲタ」(実力以上の水準に価格を上昇させる要因)から「足枷(あしかせ)」(実力並みあるいは実力以下の水準に価格を下落させる要因)になったイメージです。

 とはいえ、昨年3月に発生した阿鼻叫喚の総売り「新型コロナショック」のような状況ではありません。幅広い銘柄が下落しましたが、下落度合いに濃淡があります。逆に上昇している銘柄もあります。

 市場は一時、FOMC後の会見を受け、強い悲観的なムードに包まれましたが、実際の各種銘柄の値動きを見てみると、もう少し深掘りをして、状況を確認する必要がありそうです。