外国株に対して日本株が劣勢を続けている
今週の米国市場では、14日にS&P500指数やナスダック総合指数が過去最高値を更新し、外国株式指数(MSCIコクサイ指数=日本を除く世界株価指数)も最高値を更新しました。
15~16日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)は声明文で「ワクチン接種の進展と強力な政策支援が施される中、経済活動や雇用の指標は強さを増した」とする一方、「インフレ率の上昇は主として一過性の要因を反映している」と判断し、「緩和的な金融政策スタンスを維持する見通し」としました。
ただ、直後の記者会見でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がテーパリング(量的緩和縮小)の議論を始めたことに言及。ドットチャート(FOMCメンバーの金利見通し)が「2023年中の利上げ」を示唆したことで、長期金利が上昇し株式は下落しました。
今後も金融政策の変化とそのタイミングを巡る思惑で株価が揺れる可能性はあります。
図表1は、2018年初を起点にして米国株、外国株、日本株の推移を比較したものです。米国株や外国株の堅調傾向に対し日本株が劣勢を続けていることがわかります。
年初来騰落率で比較しても、米国株は年初来+12.5%、外国株が同+12.6%であるのに対し、日本株は同+9.5%にとどまっています(16日時点)。本稿では、「長期の視野で日本株が外国株に対し劣勢を続けるリスク」と「国際分散投資の意義」について解説をしたいと思います。
<図表1:外国株と日本株のパフォーマンス差が広がっている>