米5月CPI。熱すぎず、冷たすぎず、ちょうどよい

 米5月CPIは、前月比+0.6%(予想+0.4%)、前年比+5.0%(同+4.7%)という結果でした。物価指数上昇の主犯は中古車価格で、5月は7.3%上昇。コロナ禍で公共交通機関利用を避ける自動車通勤のニーズと半導体チップの供給問題による新車不足が価格を押し上げました。ただ前月の+10%に比べると徐々に状況は改善。一方で新車価格は上昇傾向。

 CPIは予想通り、いや予想以上に強かった。しかしインフレが(半導体のような)サプライチェーンの問題にあるならば、FRB(米連邦準備制度理事会)が主張しているように、上昇は「一過性」で終わる可能性が高い。マーケットも同じ考えを持ち始めたようで、米10年債利回りは再び1.5%台を下回っています。CPIの健闘にもかかわらず、1.55%から1.60%で推移していた米長期金利がレンジの下方向に抜けたことは、来週開催されるFOMC(米連邦市場委員会)に対する期待度の低下を示しています。