初心者時代の体験談

Q:投資を始めて最初の成功体験を教えてください。
A:持ち株会の株が7年で5倍くらいになりました。

 リーマンショック前後に新卒で証券会社に入社。その後、2度の転職を経て現在の会社に勤めています。最初の成功体験は、勤めていた会社の自社持ち株会に参加して、こつこつ給与天引きで自社株を購入していたものが、相場の上昇とともに7年間で5倍くらいの価値になったことです。

Q:初心者時代の失敗談を教えてください。
A:FXを始めたものの、仕事中の相場急変で利益80万円どころか元本もなくしてしまったこと。

 もともと証券会社で働いていて、お客様の資産を増やしていた自信があったのですが、私生活では自分自身の資金力がなかったこともあり、少額資金でもレバレッジをかけて大きな取引ができるFX(外国為替証拠金取引)に手を出しました。

 チャートなどは読んでいましたが、相場が急変するようなニュースが仕事中に突然発生してしまい、それに気が付かず、こつこつ積み上げた利益80万円くらいが一瞬で吹っ飛びました。さらに元手もなくしてしまいました。

▼その失敗体験で学んだことは?
 簡単にお金持ちになれるような近道はないことを学びました。また、FXのような現物を保有しない金融商品に関しては、塩漬けにして保有し続けることもできないので、トレーダーのように常に相場を見ているわけではない勤め人には向いていない、ということを痛感しました。

Q:資金が少なかった時代にやってしまった失敗や、後悔していることなどを教えてください。
A:Twitterであおられている日本株を売買していた時期があります。

 FXの失敗を生かして、少額の日本株投資を始めました。株式投資が楽しくなり、Twitterの情報をもとに売買をしていた時期があります。

 Twitterで買いあおられていた銘柄は、利益を出したこともありますが、ものすごい額の損切りをしたこともあります。そして3年経った今見ると「損切りしておいてよかった!」と思うような悲惨な株価になっています。

 中小型株の中には、実態をともなわずマネーゲームに使われている銘柄もあります。その見極めに自信がない方は、まずは自分がよく知っていて、5~10年後も変わらず利用したくなるようないい商品やサービスを提供している企業の株に投資することをおすすめします。

Q:さまざまな成功・失敗を経て確立した投資手法や投資哲学を教えてください。
A:「心をすり減らさない投資」を心がけ、自分が知っていて世界的にも認知されている銘柄を保有すること。

 身の丈に合わない金額を投資したり、よく理解していない企業や商品に投資すると、相場が気になって本来生きていくために必要な仕事や家庭をおろそかにしがちになる、ということを失敗体験から学びました。

 投資は未来の自分の生活を豊かにするための手段であって、目の前の生活をおろそかにするのは本末転倒です。

 また、他者から学ぶことは大事ですが、自分の投資の許容度は他人と比較してもわかりません。他者と比べず自分の心と向き合い、無理のない金額を投資することや、安心して保有できるような、自分がよく知っていて世界的にも認知されている(されるだろうと信じられる)投資先を選ぶことが大切だと思っています。