今日の注目通貨:ドル/円

I Can See Cleary Now

 これが本物のドル高かどうかは、まだわかりません。この日の動きが新たな「ドル買い」ポジションをつくる動きなのか、それとも「ドル売り」ポジションの調整的買い戻しにすぎないのかを考える必要があります。31日(月曜)はNYとロンドン市場が休みで、この日は実質的な月末だったことを考えると調整的な理由がまだ大きいように思われます。

 109円台前半まで南下していたドル売りは、返り討ちにあって110円まで退避した模様。しかし、ドル/円にとってはここからが険しい道のり。2021年になってからの110円台は、たった6営業日しかありません。110円にワンタッチしても、110円で値固めするには、一段強力な支援材料が必要。

 来週から6月です。来月も「緩和縮小」がテーマになるでしょう。FRBのクラリダ副議長は、「今後の会合で債券購入の縮小を検討する可能性がある」と、初めて公に緩和縮小の可能性について言及しました。クォールズ副議長はさらに一歩踏み込んで、「今後の会合で、債券購入のペースを調整する議論を始めることがFOMC(米連邦公開市場委員会)にとって重要なことになる」と発言。

 ただし、FOMCが緩和縮小を実行するためには、労働市場が力強く回復していることが、第一の前提条件とも述べています。というわけで、来週の雇用統計は注目が集まります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成