Say You,Say Me

 FRBは5月19日に、4月27、28日開催分のFOMC会合の議事録を公表しました。ワクチン接種展開で経済再開が進んでいることから、FOMCは景気見通しを引き上げました。その一方で、移動制限解除とソーシャル・ディスタンス緩和による経済効果は、時間が経つにつれて薄れるとして、成長の勢いが続くことにはまだ慎重でした。

 しかし、一部のメンバーからは、今後の会合において「緩和縮小」の議論を開始すべきとの意見も出ました。今後とはいつか? 7月に始める? 8月のジャクソンホールで発表する? いや9月まで様子見だろう、などと予想が分かれています。緩和縮小の実施よりも、FRBがその方向へ動き出す事実こそがマーケットにとっては衝撃となります。

 ただし、米国経済は「目標とする最大雇用と物価安定の水準からまだ遠く離れている。」というのがFOMCの判断。しかも、4月FOMCが終わった後に発表された4月雇用統計は、予想を大幅に下回った。FOMCが緩和縮小を急ぐ理由はないようです。