調整色を強めるビットコインも、金の「代替通貨」としての役割を際立たせている

 ビットコインをはじめとした暗号資産が調整色を強めている点も、金が「代替通貨」として注目を集めるきっかけとなっていると、考えられます。

 ドル金利が低下したり、ドルが下落したりすると、ドルの代わり、いわゆる「代替通貨」が物色されることがあります。この「代替通貨」の物色の際、暗号資産や金に注目が集まることがあります。ビットコインも金も、どこの国の信用も必要としない「無国籍通貨」という共通の側面を持っているためです。

 今年1月半ば以降、「代替通貨」内で競合が起きていると、筆者は考えています。先ほどの図、「金価格と米10年債利回り、ドル指数、ビットコイン、NYダウの推移」のとおり、1月半ば以降、ビットコインと金は逆の動きをしています。競合が続く中、今後さらにビットコインが調整色を強めれば、金はその逆の動きをする(さらに反発する)可能性があります。

図:ビットコインをめぐる、足元の環境

出所:各種メディアより筆者作成

「金価格年内2,000ドル」は、妄想の域にとどまらないだろう

 重要テーマである「有事のムード」においては、今後も不安が継続・散発する可能性があり、「代替通貨」においては、米国の金融政策が引き続き緩和的で、暗号資産の調整は続く可能性がある、との理由から、短・中期的にこれら2つのテーマがきっかけとなり、今後も金相場が上値を伸ばす可能性があると考えられます。

 この点を考慮した、序盤で示した、4つの材料の今後の見通しは以下のとおりです。

図:年内2,000ドル到達に必要だと考える材料の今後の展開

出所:筆者作成

 このように考えれば、「金価格年内2,000ドル」は、妄想の域にとどまらず、現実になる可能性もあるかもしれません。引き続き、金相場の動向に、注目です。

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2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
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GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
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三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

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