米国高配当株5:ウエスタン・ユニオン(WU)

 国際送金サービス事業を行っており、世界200カ国以上の国と地域で事業展開しています。

 オンラインやアプリで世界中の銀行口座に直接送金することができ、外国人労働者が本国に送金する際や、国をまたぐ売買の決済になど幅広く利用されています。

 時価総額は102億ドルで、日本円で約1兆1,200億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「個人金融事業(Consumer-to-Consumer)」で、ウエスタン・ユニオンの売り上げの約9割を上げており、続いて「法人金融事業(Business Solutions)」「その他(Other)」となります。
 

出所:筆者作成

「個人金融事業」ではオンライン、アプリを利用して送金・受け取りを行う事業を展開しています。日本ではセブン銀行・ファミリーマートも提携しており、コンビニから世界200の国と地域のウエスタン・ユニオン取扱店への送金を可能としております。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値近辺まで回復しています。また、配当は2015年以降連続で増配しています。

 会社側は「新型コロナの世界的流行により余儀なくされた、新技術の導入や労働環境のデジタル化により世界の国境を越えたサービス取引額は 2019年の6.1兆ドルから2025年までに8兆ドルに増加する見通し」としており、その際の決済に同社のサービスが利用されることで、さらなる株価の上昇が期待されます。

業績動向

 2021年5月4日開示の四半期決算では、売上高は市場予想を上回りましたが、EPS(1株当たり利益)は市場予想を下回りました。

 決算を受けて株価は下落し、その後は横ばいで推移しています。

 利益の減少はマーケティング費用の増加などが理由ですが、第2四半期以降に業績は改善し、2020年の利益を上回る見通しとなっています。次回2021年8月5日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。  

注意点

 デジタル通貨など新しい海外送金の台頭と、国際的な送金手数料の引き下げです。

 デジタル通貨については安全性・信用度の点から普及にはもう少し時間がかかりそうですが、送金手数料の引下げは既に起きています。

 今後は、買収などで事業規模を大きくしていく企業が生き残ると思われ、業界再編の動きには注視が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:0.94ドル
配当利回り:3.77%
株価:24.89ドル(約2,700円)

 権利落ち日は6月15日(権利実施は6月30日)です。

 配当は0.94ドル、配当利回りは3.77%、株価は24.89ドルで約2,700円から購入できます(2021年5月17日時点)。

 2018年以降の最高値は28.30ドル、最安値は16.55ドルです(終値ベース)。

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