米国高配当株3:オムニコム(OMC)

 世界的な広告代理店で、英国のWPP、フランスのピュブリシス、米国のインターパブリックと並ぶビッグ4の1社です。

 傘下には世界90カ国以上で事業展開する世界的なマーケティング企業である「DDB」などがあります。時価総額は179億ドルで、日本円で約2兆円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「広告代理事業(Advertising)」で売り上げの約6割を上げており、続いて「CRM関連事業(CRM Precision Marketing、CRM Execution & Support、CRM Commerce & Brand Consulting、CRM Experiential)」が約2割、「PR事業(PR)」「健康事業(Healthcare)」が約1割ずつとなっています(2021年3月期)。

出所:筆者作成

 また地域別売上高は、「米国」が約5割で、続いて「欧州諸国」が約2割、「アジア太平洋」「英国」が約1割と続いていきます。

 中心事業である「広告代理事業」では、世界3大広告賞の一つといわれる「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」において、2年連続でホールディングカンパニーオブザイヤーに選ばれるなど高い評価を得ています。

株式の注目ポイント

 株価は2020年の高値近辺で推移しています。また、配当は直近増配を発表しています。

 販管費を抑える一方、売り上げは前年同期比と同程度の水準を維持することで、EPS(1株当たり利益)が上昇していることも、株価回復の要因のようです。

 今後は、新型コロナの状況とESG(環境・社会・ガバナンス)への対応によって株価は上下する可能性がありそうです。

業績動向

 2021年4月20日開示の四半期決算では売上高・EPSともに市場予想を上回りました。

 決算を受けて株価は小幅に上昇し、現在は2020年の高値近辺で推移しています。

 事業が多岐にわたり、また売り上げも特定の顧客へ依存せず、いい意味でバランスが取れた企業であり、今後も安定した業績が期待されます。

 次回2021年7月21日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 売り上げの中心である、北米での売り上げが減少しています。

 今後のコロナの状況によって北米の売り上げ回復が遅れることで、株価にマイナスに働く可能性があり注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:2.8ドル
配当利回り:3.36%
株価:83.11ドル(約9,100円)

 権利落ち日は6月10日(権利実施は7月9日)です。

 配当は2.8ドル、配当利回りは3.36%、株価は83.11ドルで約9,100円から購入できます(2021年5月17日時点)。

 2018年以降の最高値は84.96ドル、最安値は45.80ドルです(終値ベース)。