米国高配当株4:ナビエント(NAVI)

 米国連邦政府の学生ローン支援政策目的遂行のために、連邦議会によって政府支援機関(GSE)として設立された企業の一つです。

 後に別々の上場企業に分割され、同社と「サリーメイ」となりました。ナビエントでは、学生ローンの管理サービスを中心に事業展開しています。

 時価総額は31億ドルで、日本円で約3,400億円となっています。

事業の注目ポイント

 ナビエントの中心事業は「学生支援ローン事業(FEDERAL EDUCATION LOANS SEGMENT)」で売り上げの約5割を上げており、続いて「消費者金融事業(CONSUMER LENDING SEGMENT)」で約3割、「業務管理事業(BUSINESS PROCESSING SEGMENT)」が約2割となっています(2021年3月期は、事業売却による売り上げがあるため、2020年12月期より)。

出所:筆者作成

 中心事業の「学生支援ローン事業」では、学生ローンの借り手側のデフォルト(返済不能)回避のために、50以上ある学生ローンの返済方法から、最適な返済方法を提供するとともに、早期に返済するためのサービスを提供しています。

株式の注目ポイント

 株価は2020年の高値を超えています。また、配当は昨年と同じ水準を維持しています。

 業績は新型コロナウイルス感染拡大前の水準を既に超えています。新型コロナによって学生ローンの返済救済を求める人々が増えたことも、好調な業績の要因の一つのようです。

 年々、学生ローンの借入残高は増え続けており、自動車ローンやクレジットカードローンを上回り、米国の社会問題になっています。そのような背景から、引き続きナビエントのサービスを利用する人の増加が想定されることから、今後も好調に業績が推移することが期待されます。

業績動向

 2021年4月27日開示の四半期決算では、売上高・EPS(1株当たり利益)ともに市場予想を上回りました。

 決算を受け株価は上昇し、そのまま横ばいで推移しています。

 会社側も「返済で苦労している学生の借り手の数が多すぎる」としており、今後も米国の社会問題となっている学生ローン市場を背景に、堅調な業績が想定されます。

 次回2021年7月27日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 以前、同社に対し、米投資会社「キャニオンパートナーズ」と「プラティナム・エクイティ」による買収騒動がありました。

 現在はそのような話は出ていませんが、再び買収の話が出た場合、株価変動の可能性があり注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:0.64ドル
配当利回り:3.68%
株価:17.385ドル(約1,900円)

 権利落ち日は6月上旬予定(権利実施は6月中旬予定)です(2021年5月18日時点で未確定。2020年を参照)。

 配当は0.64ドル、配当利回りは3.68%、株価は17.385ドルで約1,900円から購入できます(2021年5月17日時点)。

 2018年以降の最高値は17.39ドル、最安値は5.00ドルです(終値ベース)。