今日の注目通貨

ポンド Start Me Up

「英国の今年の成長率は2ケタ行くだろう。」BOE(イングランド銀行)のホールデン委員との見通しを示しています。英経済は1年後にはコロナ前に戻る」と強気です。

 迅速なワクチン接種展開が効果を上げ、英国ではロックダウン解除が進んでいます。4-6月期の英国経済は力強く回復。7-9月期には早くもコロナ前の水準に戻る期待が高い。ロックダウン解除に伴い一部の国や地域への海外旅行も解禁され、夏休みの予約はすでに満杯に近い状態。

 英政府は休業手当を延長。さらに「ニュー・スーパー控除」を導入して家計の懐は温かい。コロナの最中に貯めこまれたお金が「リベンジ消費」となって放たれようとしています。腕にワクチンを打って景気回復に向かう、いわゆる「腕まくり景気」ブームがやってくる期待が高まっています。

 BOEのブリハ委員は「2021年の英国経済は、2020年と同じくらい異常になるだろう」として、「英国の今年のインフレ率は、BOEの目標値を超えて上昇する」と予想しています。

 コロナからの経済再起、中央銀行の緩和縮小(金融政策の正常化)という、FX市場のテーマに沿って順調に進んでいるのが英国。ポンドが注目されるのは当然でしょう。

 英国は、コロナ変異株の感染が拡大するなかでの経済再開の先行ケースとして世界が注目。ワクチンが変異株感染を十分抑えられず、再びロックダウンということになれば、英国だけではなく、世界経済全体を暗くさせることになります。

 政治問題もあります。今月6日に行われた英国のスコットランド議会選挙は、独立派のSNP(スコットランド民族党)は議席を伸ばしたもののあと1票で過半数に届きませんでした。

 しかし独立問題は消えたわけではなく、緑の党を合わせると議会では独立支持が多数派であることに変わりはありません。SNPは、コロナ禍の今を避けて来年を目指して独立投票の正当性を高等裁判所で争う予定。この問題はブレグジット同様、今後のポンドの材料になり続けるでしょう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成