来年、グロース優位に戻ると予想する理由

「20世紀に逆戻り」の経済環境は、今年限りと考えています。来年には、再び、資源価格が下がり、世界的にインフレ率・長期金利が低下すると考えています。そうなると、バリュー株優位は続かなくなると考えています。

 来年は、21世紀の経済環境に戻り、AI(人口知能)・5G(第5世代移動体通信)を活用した第4次産業革命が世界中で加速すると考えています。そうした環境下で、再びIT関連の小型成長株が上昇する環境になると予想しています。

 以下に、私が過去に売買してきた小型成長株の典型的な株価変動パターンを描いたチャートを作りました。こちらをご覧ください。

乱高下する人気の小型成長株:高値づかみすると大変(イメージ図)

出所:筆者作成

 上の例では、成長株の黎明(れいめい)期・急成長期・成熟期の3つのステージがそれぞれ5年続くとしています。それぞれ、以下のようなステージです。

【1】黎明期:利益は出ないが、将来、大きな夢がある時期。
【2】急成長期:実際に売上高・利益が大きく伸びる時期。
【3】成熟期:最高益の更新は続くが、年率5%程度しか増益しなくなる。

 小型成長株を長期で保有すると高いリターンが得られますが、それでも短期的には急落することがあります。上のチャートで赤い星印をつけたところで買うと、ひどい目にあいます。そうならないようにするには、グロースが買われる相場のリズムを理解する必要があります。

 今年は、業績モメンタムの強い、景気敏感バリュー株を買うために、グロース株は売られやすくなっています。ただし、バリュー優位が続く中、将来有望と考えられる小型成長株が、少しずつ株価水準を下げているところです。来年のグロース復活を考えて、少しずつ買いを入れていって良いタイミングに入りつつあると考えています。

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