アルフレッサ(2784・東証1部)

どんな銘柄?

 医療用医薬品卸で国内トップ企業です。医療用医薬品製造なども手掛けています。取引先企業数は約1,000社、取扱商品数は約35万アイテムとされています。

 製造から卸売、調剤薬局での薬の提供までサプライチェーンを構築するなど幅広い事業領域、強固な流通体制などが強みとなっています。

 医薬品卸入札で談合防止、ガバナンス強化に努めています。ロボット技術を特徴とするベンチャー企業と資本業務提携を行っています。

業績見通し

 2021年3月期営業利益は207億円で前期比56.6%減益となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、医療機関における外来受診抑制、入院患者・手術件数減少が響きました。医薬品製造事業も同様の影響からセグメント赤字に転落しました。

 2022年3月期は283億円で同6.1%増と増益転換の見通しですが、一部営業外収益を売上高に変更したことで、67億円の押し上げ要因があります。経常利益は減益を見込むなど、入札指名停止などの影響もあって引き続き業績は実質的に伸び悩む見通しです。

ここがポイント

 前期は大幅減益決算にもかかわらずに増配を実施、増配へのこだわりは意識されるところです。株価は足元で安値圏にあり、PBR水準は0.7倍台にまで低下してきています。

 5月27日にはMSCIからの除外に伴う売り需要の発生が見込まれますが、その後は短期的なあく抜け期待などが高まる余地もあるでしょう。

「超低温保管・輸送設備」の全国展開、医療支援プラットフォームへの取り組み、スマホアプリを使った頭痛管理プログラム共同開発など、新展開も積極化させています。

高速(7504・東証1部)

どんな銘柄?

 食品向け軽包装資材の専門商社で国内トップです。仕入れ先は1,600社以上、取扱品目は14万点以上となっています。全国52カ所の営業拠点など地域密着型の物流ネットワークを誇ります。

 国内トップ企業としてのスケールメリットを生かして、顧客への企画・提案営業なども積極的に行っています。2025年度までの中期計画を策定、最終年度売上高1,000億円超を目指しています。

業績見通し

 2021年3月期経常利益は35.4億円で前期比5.7%増益となり、4期連続での増益となっています。従来計画は2ケタの減益計画でした。

 巣ごもり消費に伴う内食需要の増加で、主力の食品容器などが堅調に販売を伸ばしたようです。

 2022年3月期は36億円で同1.8%増と連続増益が続く見通しです。安定した需要の増加が見込める分野であり、業績悪化リスクは乏しいと考えられます。

ここがポイント

 2021年3月期年間配当金は創立55周年記念配当11円を含んで42円配当、前期比12円の増配となっています。2022年3月期はさらに2円増配の44円を計画しています。

 中期計画においても、連続増配の継続による株主価値の向上を目指すとしており、今後も安定した増配が続く期待は高いでしょう。

 業績面でのディフェンシブ性も高く、PBR水準からの割安感も強いため、長期投資の有力銘柄とも位置付けられます。