SPK(7466・東証1部)

どんな銘柄?

 自動車部品の専門商社で、国内では業界トップの実績です。設立は1917年になります。クラッチ、ブレーキ、電装品などの機能部品、車検パーツなどを取り扱い、自社ブランドも展開しています。

 取扱点数は約3万点、国内販売先は1,500社以上で、海外も80カ国、300社に輸出しています。

業績見通し

 2021年3月期経常利益は20.4億円で前期比5.7%増益、従来の2ケタ減益計画を上回って一転増益着地となり、11期連続での増益を達成しています。新型コロナウイルスの影響で海外販売が伸び悩む中、国内販売が堅調に推移して、増益を確保する形になっています。

 2022年3月期は21億円で同2.7%の増益見通しとしています。買収した米国会社のフル寄与が見込めるほか、経済活動の正常化に伴う売上増も想定しているとみられます。下半期は前年同期比営業減益の前提となっており、利益予想は保守的とも受け止められます。

ここがポイント

 2022年3月期年間配当金は前期比3円増配となる40円を計画しています。配当性向は30%未満であり、業績が上振れた場合は、その分増配の余地も残ります。

 株式の流動性が乏しい点はネックとなりますが、今後、アナリストのカバレッジが拡大することにより、連続増益・増配基調への評価が高まることとなれば、0.7倍台と割安なPBR(株価純資産倍率)水準の底上げも期待されるでしょう。

USS(4732・東証1部)

どんな銘柄?

 中古車オークション会場運営のトップ企業で、全国に19会場を有しています。市場シェアは2020年実績で約37.7%となっています。

 会員数は、現車オークション会員4万8,058社、衛星TVオークション会員2,197社、インターネット会員3万2,538社、中古自動車買取店143店舗などとなっています。

 2021年3月期実績で出品台数は約266万台、成約台数は約168万台です。また、中古車買い取り専門店も手掛けています。

業績見通し

 2021年3月期営業利益は362億円で前期比0.6%増益となりました。オークション出品台数が減少したものの、中古自動車等買取販売は好調なオークション相場に支えられて大幅増益となり、リサイクル事業も資源相場の上昇で増益となりました。

 足元でオークションも回復傾向にあり、1-3月期は過去最高益を更新しています。

 2022年3月期は384億円で同6.0%増益の見通しです。オートオークション市場の回復基調が続く見込みのほか、のれん償却の減少なども寄与する見通しです。

ここがポイント

 株式上場以来連続増配を続けており、2022年3月期も前期比2.9円増配となる58.4円を計画しています。ちなみに、2020年3月期からは連結配当性向を50%から55%に引き上げています。

 安定的な増配傾向とともに、機動的な自己株式の取得も行っています。前期は実施されませんでしたが、その前の15年間のうち11年は自社株買いを行っています。

 オークションのDXへの取り組みとして、車両検査の新システム導入、出品票のデジタル化に向けた展開を開始しています。

リコーリース(8566・東証1部)

どんな銘柄?

 リコー系のリース会社で、みずほリースと資本業務提携を行っています。オフィス関連機器などのファイナンス・リース、オペレーティング・リースのほか、法人向け融資や住宅ローンなどの貸し付けも行っています。

 また、請求書発行や売掛金回収などの代行サービス、再生エネルギーや不動産分野などへの投資事業も手掛けています。取引先企業40万社のうち98%が中小企業という顧客基盤に特徴があります。

業績見通し

 2021年3月期営業利益は175億円で前期比2.7%増益となりました。リース事業において資産利回りが改善したほか、インベストメント事業の伸長なども収益増に貢献し、貸倒引当金の増加などを吸収しました。

 2022年3月期は185億円で同5.9%増益の見通しです。全セグメントで売上総利益の増加を見込んでいますが、特にインベストメント事業における住宅賃貸や不動産関連の伸長を想定しています。

ここがポイント

 2022年3月期年間配当金は前期比15円増の115円を計画しています。配当性向は28%であり、業績上振れ次第では増配の余地もありそうです。市場の期待値が高いインベストメント事業の収益貢献拡大傾向には評価余地が高まりそうです。

 また、みずほリースとの連携効果も、前年度の案件25億円から今期は100億円にまで拡大を想定しているようです。連携効果の高まりが確認されるに伴って、業界再編への動きなども思惑視される可能性があるでしょう。