個人投資家は何をすればいい?

 ここから日本の景気・企業業績の回復色が強まると予想しているので、私はこの水準では日本株を売るのではなく、買っていったほうが良いと判断しています。

 ただ、みなさんがどういうポジションを持っているかによって、対処方法は異なります。

ケース1

積立投資を始めたところなら、継続していくと良いと思います。

ケース2

いくらかまとまった投資に使える余裕資金があるなら、景気敏感バリュー(割安)株を中心に、少し投資してみて良いと思います。日経平均やTOPIX(東証株価指数)に連動する投資信託(インデックスファンド)に投資しても良いと思います。

ケース3

日本株を持ち過ぎ、過度にリスクを取り過ぎているなら、しばらく様子見して、株の反発局面で少しずつ減らしていく必要があります。

予想が外れて、日経平均が下げ続けたらどうなる?

 私の予想が外れ、日本の景気回復が遅れているうちに、米景気が過熱→失速に向かったらどうなるでしょう。

 先に述べたリスク・シナリオが実現すると、日経平均はさらに下げていくことになるでしょう。そうなると、日経平均が2万6,000円になることも、ないとは言えません。

 そうなっても、積立投資なら、淡々と積み立てを続けていくことが、長い目で見た資産形成に寄与すると思います。

 というのは、私は将来、日経平均は史上最高値(1989年12月の3万8,915円)を更新していくと予想しているからです。そう予想する理由は、別の機会に詳しく説明します。

 余裕資金で株式投資をしている方なら、短期的な下げが大きくなったほうが、より安い水準で追加投資ができるので、将来得られるリターンはより大きくなると思っています。

 下がった時に困るのは、レバレッジをかけて【注】、本来取るべきでない過度なリスクを取っている場合です。

【注】レバレッジをかける
先物やオプションなどの派生商品を使う、あるいは信用取引を使い、保有するキャッシュを上回る投資ポジションを持つこと

 下がったところで、売らざるを得なくなるような過度に投機的なポジションを持つべきではありません。短期的な相場変動でダメージを受けないように、余裕資金の範囲で株式投資をしていくべきと思います。

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