4月CPIに注目  Wait For Me

 この日の米10年債利回りは1.63%まで上昇。米雇用統計の発表があった7日(先週金曜日)の水準に比べて4ベーシスポイントも上昇しています。4月の雇用統計では非農業部門雇用者数が+27万人と、予想(+100万人)に比べて4分の1程度の増加しかなかったことを考えると、長期金利の上昇は不思議な反応に思えます。

 これは全てインフレ期待の問題です。雇用統計の結果が「悪かった」ことで、FRB(米連邦準備制度理事会)が緩和縮小を開始する時期は後ずれ(9月から12月へ?)する確率が高くなった。見方を変えると、長期金利はFRBに邪魔されることなく上昇する余地が増しているといえます。

 パウエル議長は以前、「(100万人近い雇用者増加の)状況が何カ月も続くことを期待する」と述べ、そうなった場合には政策変更を検討する必要があることを示唆しました。今回の雇用統計の結果は、この条件をゼロリセットしてしまったことになります。