底値や天井でない可能性が高まったらどうするか

 このように、底値を確認できてから少し高いところで売る、天井を確認できてから少し安くなったところで売る、というのが「頭と尻尾はくれてやれ」の実践法です。筆者はこれを「25日移動平均線超えで買い」「25日移動平均線割れで売り」というルールを用いて日々実践しています。

 ただ、実際は「底値かと思ったらまだ底値ではなかった」「天井かと思ったらまだ天井ではなかった」というケースも多々起こります。このことに備えた対処法も必要となってきます。

 例えば、底値に到達したと思って底値から少し株価が上昇したところで買った場合、底値と思っていた株価を割り込んだなら、まだ株価は底打ちしていなかったことになるため速やかに売却すべきです。

 もし、25日移動平均線超えで買った場合、25日移動平均線が底値(と思っている株価)からかなり上(例えば10%以上)である場合は、底値を割り込むのを待っていると損失が大きくなってしまうので、25日移動平均線を割り込んだら売却、とするなどして損失が膨らまないようにするとよいでしょう。

 まだ底割れしていないうちに行動するので少しフライングになってしまいますが、損失を拡大させないためにはこのやり方のほうが安全です。

 また、天井に到達したと思って売却した場合も同様です。天井と思っていた株価を超えて上昇したら、まだ天井ではなかったことになるので買い直しを検討すべきです。

 もし、25日移動平均線割れで売却した場合、天井(と思っている株価)が25日移動平均線よりかなり上にある(例えば10%以上)であれば、天井超えを待ってから買い直しをすると高値づかみのリスクが増してしまいます。そこで筆者はフライング気味に25日移動平均線を再度超えてきたら買い直し、としています。

「頭と尻尾をくれてやる」気持ちが、実は大きな損失を回避し、利益を大きく伸ばすためには必要です。ぜひこの考え方を身に付けてくださいね。