Domo Arigato, Mr. Roboto

 BLS(米労働省労働統計局)が今月発表した3月米雇用統計では、平均労働賃金が大きく伸びていました。ところが、英国のシンクタンクのレポートは「インフレ率を超える最低労働賃金の上昇は、仕事のロボット化を急加速させる。」と指摘しています。昇給は景気回復のおかげだとよろんでいてはいけない。これからの社会では、景気が良くなるほど「給料が減らされるか、失業する」リスクが高くなるからです。

 企業は労働力を確保するために、人間の給料を増やすかわりにAI投資を増やす方向へと向かっています。あと数年のうちに、ホテルの受付、銀行の窓口、コンビニや居酒屋の従業員が全員ロボットに代わっていても不思議ではない。

 労働力不足は以前からいわれていて、その意味でコンビニなどの無人化は、コロナ流行がなかったとしても、いずれは実現していたでしょう。しかし、問題は変化のスピード。数年以上の時間が必要な変化が、新型コロナのせいで1年足らずのうちに起きてしまった。人間がつくりあげてきた経済システムは、緩やかな変化にしか対応できないのです。その結果いろいろな問題が起きています。