国際計測器(7722・JASDAQ)

どんな銘柄?

 振動計測技術をベーステクノロジーとする試験計測装置の専門メーカーです。バランシングマシンが主力で売上の約7割を占めます。バランシングマシンとは、部品を回転させることにより発生する回転振動を計測して質量の最も重い(または軽い)位置とその量を検出し、その計測データを解析することによって、「釣り合い良さ」の可否を判定する計測装置です。

 主要業界は自動車関連分野で、とりわけ、ダイナミック型タイヤバランシングマシンでは世界トップシェアを獲得しています。

業績見通し

 2021年3月期第3四半期累計営業利益は2.9億円で前年同期比80.3%の大幅減益となっています。2021年3月期通期でも、10億円で前期比51.0%減益となる見通しです。

 新型コロナウイルス感染の世界的な拡大に伴う顧客からの納期調整や海上輸送船舶およびコンテナ不足に伴う輸出待ち案件の増加で、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上や、日本・アジア向けの電気サーボモータ式振動試験機の売上が減少したもようです。年間配当金も前期比10円減配の25円となる見込みです。

ここがポイント

 主力の自動車業界の生産正常化によって、2022年3月期は売上の回復が見込めるでしょう。高シェアを誇るニッチ分野に特化していることで収益性は高く、売上高回復に伴う利益改善効果は大きいとみられます。

 配当性向40%を目標にしていることで、業績改善に伴う配当水準の回復も期待できます。自動車業界は電動化や自動運転化など変革期に入っていますが、こうした研究開発の過程で同社製品の需要は拡大すると考えられ、業績急拡大のタイミングなども近いと判断されます。

大研医器(7775・東証1部)

どんな銘柄?

 高度医療分野に特化した研究開発型の医療機器メーカーで、多くの製品が市場シェアトップやトップに迫る位置を確保しています。

 主力分野は、麻酔関連、病院感染防止関連製品となっており、真空吸引器関連、加圧式医薬品注入器関連、注射筒輸液ポンプおよび輸液ポンプ関連、殺菌水製造装置関連などが主要な製品群です。

 国内トップシェアを誇る医療用吸引器「フィットフィックス」に代わる次世代吸引器「クーデックバイロン」などに注力しています。

業績見通し

 2021年3月期第3四半期累計営業利益は8.5億円で前年同期比11.7%減益となっています。新型コロナウイルス感染症の影響による手術件数の減少で、主力製品の吸引器、注入器関連製品の販売量が減少していることが業績悪化の背景です。

 第3四半期決算発表時に通期予想を下方修正、営業利益は従来の11.6億円から9.6億円、前期比19.6%減に引き下げています。

 ただ、年間配当金は20円計画を据え置いています。2022年3月期は新型コロナウイルス感染も沈静化し、手術件数の回復による業績改善が望めるでしょう。

ここがポイント

 グロース色の強い医療機器メーカーの中では、配当利回りの面から見た割安感が強い、数少ないバリュー株となっています。この点を考慮すると株価の水準訂正余地は大きいと言えるでしょう。

 また、今回の新型コロナウイルス流行を受け、国内外で病院感染防止関連製品の必要性が高まっているとみられ、中期的にこうした潜在ニーズの表面化が期待できることになりそうです。