INPEX(1605・東証1部)
▼どんな銘柄?
石油や天然ガスの探鉱・開発・生産という上流事業が中核になります。国内上場企業の中では最も、原油価格の動向による影響が大きい銘柄といえます。2006年4月に、国際石油開発と帝国石油が統合して現体制となり、2021年4月より現社名に変更しています。
イクシスLNGをはじめ、世界約20カ国でプロジェクトを推進しています。原油換算の生産量は日量58.6万バレル、確認埋蔵量は40.9億バレル(ともに2019年12月期)のもようです。
▼業績見通し
2020年12月期営業利益は2,485億円で前年同期比55.6%減益となりましたが、2021年12月期は3,190億円で前期比28.4%増益の見通しです。
年間配当金も前期比3円増配の27円を計画しています。海外天然ガスの販売量増加を見込むほか、原油価格の前提を前期の43.21ドル/バレルから53ドル/バレルに引き上げていることが収益増加の要因となります。
なお、当面の配当方針は配当性向30%以上で、24円を下回らないような安定配当を実施するとしています。
▼ここがポイント
足元の原油相場の状況から見て、会社側の今期業績計画の上振れ余地は大きいとみられます。それに伴って、年間配当金の上振れ余地も大きく、株価の評価材料につながる可能性が高いとみられます。
基本的に株価は原油価格の上昇と連動しやすいですが、米国のインフラ投資によるプラス効果期待、世界的なワクチン接種拡大による需要増期待から、当面の原油相場は堅調な推移をたどる公算が大きいと考えられるでしょう。
アイチ(6345・東証1部)
▼どんな銘柄?
トラック式高所作業車で国内シェアトップのメーカーです。自走式高所作業車、橋梁点検作業車なども扱っています。電力、レンタル、通信、鉄道業界などが主要ユーザーとなっています。
製品販売後のメンテナンスなども収益源となります。海外売上高比率は約1割のもようです。無借金経営で自己資本比率は80%超と好財務内容を誇っています。
▼業績見通し
2021年3月期営業利益は62億円で前期比5.9%増益の見通しです。上半期決算時に上方修正を行っていますが、第3四半期まででは前年同期比23.1%増と大幅増益となっており、通期業績にはさらなる上振れ余地もあるとみられます。電力業界や通信業界向けの売上が堅調に推移しているもようです。
年間配当計画も期中に27円から29円に引き上げられていますが、現在は配当性向50%を目安としていることで、業績上振れはストレートに増配へとつながる見込みです。2022年3月期も配当性向は50%となります。
▼ここがポイント
豊田自動織機が50.9%を保有する筆頭株主となっています。今後は親会社のフォークリフトとの協業による海外市場の開拓などが期待できるでしょう。
また、親子上場の解消が叫ばれる中で、同社にも再編思惑などが高まるタイミングが到来する可能性もあるでしょう。