インフレは止まらないのか? Ooh,somebody stop me!

 今夜は、3月の米CPIデータ(消費者物価指数)が発表されます。

 前回2月は前年比同月比で+1.7%と期待を下回る数字でしたが、今回は一気に、FRB(米連邦準備制度理事会)の目標を超える+2.5%に急上昇する予想がでています。さらに、今後数ヵ月でFRBが目標とする2%の「倍近く」まで上がる可能性もあります。

 超インフレ時代がやってくるのか? 今のところその心配はあまりないようです。まず、CPI急上昇は実際のインフレというよりもベース効果という統計的な理由が大きいこと。インフレがこれから急上昇することはあっても、1年後にはほとんどの先進国でインフレ率が2%以下に下がっているという見方が多い。

 なぜなら、物価上昇の引き金になる移動制限(ロックダウン)解除後の繰越需要が一巡して、新型コロナで破壊された世界のサプライチェーン(供給網)の修復にともない原材料の品薄問題も解決するだろうからです。ただ、その時になってみないとわからない。

 FRBの政策は「予測」ではなく「証拠」によって決定するとパウエル議長は述べています。FRBはインフレに対して先回りして利上げすることはしない、実際にインフレが2%以上に定着したことを確認して初めて政策を変更するという意味です。しかし、その逆もありえます。今はインフレがすぐに萎むという「予測」ですが、一向に収束しないという「証拠」が数多く出てきたら、FRBは行動するでしょう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成