コロナ撲滅から“共存”に舵をきった人類の選択は、金相場の超長期の下支え要因。

 足元、部分的には、患者数が減少したり、経済活性化推進を一時的に停止したりしている国や地域はあるものの、全体的には、新型コロナの患者数の増加と、主要国の経済の活性化策推進は、同時進行しているといってよいと思います。筆者はこのような全体的な動きは、人類が新型コロナと共存することを選択しつつあることの証であると感じています。

 人類は、新型コロナのパンデミック化後しばらく、“コロナの終息を目指す”ことを大目標とし、自粛をしたりワクチン開発をしたり金融緩和を行ったりしていました。しかし、ワクチンを手にした現在、ワクチンがコロナをなかったことにしてくれる魔法の道具のようなイメージが広がり、“ワクチンがあるから経済活性化策を同時進行できる”といったムードが広がりつつあると、感じられます。

 このような、“ワクチンがあるからコロナと共存できる”という考え方は、コロナの存在を一定程度、容認するものです。つまり、撲滅は目指さず、ワクチンを武器にうまく付き合うことに主眼が置かれ、終息宣言は目指さない方針であると考えられます。コロナとうまく付き合う、コロナが身近にある生活を受け入れることは、一定程度の不安が常につきまとうことを受け入れることに他なりません。

 撲滅を目指さず、終息宣言が出ない以上、数年でも数十年でも、大小あれどもコロナ起因の不安は続くわけです。このような“不安の底流”は、6つのテーマの一つ“有事のムード”を長期的に存在させるきっかけになり得ます。

 目に見える、目立つ、戦争などの有事は、金相場を短期的に大暴騰させる要因になり得ますが、人類が選択しつつある“コロナとの共存(≒終息宣言の放棄や一定の不安の容認)”という選択は、息の長い、じわじわとした、金相場の下支え要因になり得ると考えられます。

 コロナ起因の不安は、純金積立などの超長期的を前提とした運用はもとより、短期投資においても、現在のように節目で底堅く推移する値動きとなっている場合、ある程度、価格の下支え要因になっている可能性があるため、金相場に携わるすべての人にとって、要注目だと考えています。

図:6つのテーマが与える金相場への影響(イメージ)

出所:筆者作成

[参考]貴金属関連の具体的な投資手法

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