要因3:超金融緩和、米株高、米長期金利上昇、ドル高の影響

 29日、野村ホールディングスやクレディ・スイス・グループが取引先のヘッジファンド(アルケゴス・キャピタル・マネジメント)の投資損失によって巨額損失計上の可能性があると発表しました。

 背景は、金融緩和によって資金を借りやすくなったヘッジファンドがレバレッジを大きくしたことが損失の規模を拡大させ、また、個人投資家の標的になったことも一因ではないかと言われています。30日には三菱UFG証券ホールディングスも損失の可能性を発表しました。これらの動きは、金融緩和によって生じたバブルの氷山の一角なのか、四半期末の特殊要因なのか、このヘッジファンドだけの特殊要因なのか今後の影響度合いを注視する必要があります。今のところ相場全体を押し下げるほどの影響は出ていないようです。

 また、ドル高の影響も新興国通貨に影響が出始めています。ドル上昇によって、トルコリラ、ブラジルレアル、ロシアルーブル、南アランドといった主要新興国通貨の下落が大きくなってきています。豪ドル、ニュージーランドドルといったオセアニア資源国通貨も、資源価格は上昇しているにもかかわらず、軟調地合いとなってきています。このようにユーロだけでなく、オセアニア通貨や新興国通貨などもドル高や米長期金利の上昇による影響が出始めており、さらにドル高、金利上昇となった場合、これら通貨が一段と下落するのかどうか今後の動きを注視する必要があります。これらのクロス円の頭が重たくなると、ドル/円上昇の重荷になり、ドル/円はもたつく可能性が出てきます。