成長株は益回りが小さい

 もう一つのアプローチが「株式益回り」の観点です。益回りとはPER(株価収益率)の逆数のことで、下記で計算されます。

1株当たり利益÷株価=益回り
・PER 10倍の株:益回り10%
・PER 20倍の株:益回り5%
・PER100倍の株:益回り1%

 では、債券の金利が上昇したとき、より大きく反応するのはどれだと思いますか。

 長期金利が、例えば0.1%から1%に上昇したとき、PER10倍の株や5倍の株はそれほど大きな影響を受けません。1%の長期金利より益回りの方がはるかに高いからです。

 ところが、PER100倍の株は、益回りが1%しかありません。同じ1%を得るのなら、リスクが高い株式よりも、債券を選択する、ということにおそらくなるはずです。そのため、株式の益回りが債券と同じ1%ではさすがに低すぎるだろう、ということで株価下落につながるのです。

 例えば株価が2分の1になれば益回りは2倍の2%になります。このときのPERは50倍ですが、このように株価下落でPERが低下し、益回りが上昇する形で株価調整が入りやすくなると言われています。

 実際はそこまで単純な話ではないとは思いますが、少なくともPERが極めて高い、例えば100倍を超えているような銘柄については、株価は上がりにくいでしょうし、逆に下押し圧力には十分注意すべきでしょう。