ドットチャートが「リスク」

 パウエル議長が、マーケットを納得させることができても、 FOMC内部から「造反者」、つまり利上げ前倒し派が出現したらどうなるか?FRBは(ECBと違って)メンバーが団結していることが政策に対する信頼感となっているだけに、マーケットは驚き、一気に利上げを織り込むことになるかもしれません。FXにとっては追い風、しかし、株式市場にとっては逆風。

 FOMCメンバーの予想によると、2021年末のFF金利の予想中央値は17名全員が0.125%で据え置きを予想。2022年末は16名が0.125%据え置き、1名が0.5%の利上げを予想。

 そして、2023年末の利上げ予想は、12名が0回(0.125%維持)。3名が1回(0.25%に利上げ)、1名が2回(0.5%に利上げ)、そして1名が4回(1.00%に利上げ)を予想。

 FRB利上げは2024年になってからという根拠はこれです。2023年の金利予想の中央値(据え置き)を動かすには、4名が据え置きから利上げに変更する必要があります。しかし、マーケットを動かすにはおそらく1人か2人が変更するだけで充分でしょう。 今夜のFOMC、ドットチャートがリスクです。