本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは109.75円
↓下値メドは108.30円
長期金利は「自動運転」で!
FRB(米連邦準備制度理事会)は16、17日の2日間、 FOMC(米連邦市場委員会)を開き、今夜(日本時間18日早朝)に政策金利を発表します。しかも今回は、「ドット」と「SEP」の会合でもあります。
え、MAR(3月)じゃないの?いえ、SEPとは9月のことではなく、経済見通しのサマリー(Summary of Economic Projection)のこと。そしてドットとは、FOMCメンバーが予想する米国の政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の見通しで、それぞれひとつの点(ドット)として散布図にしているので、こう呼ばれています。米長期金利が上昇するなかで、政策金利(据え置き予想)よりも、FOMCの米経済見通しに大きな注目が集まっています。
今年になって米長期金利は急激に上昇。1月に0.9%台だった米10年債利回りは、今では1.6%台。しかしパウエル議長は長期金利を押し戻そうとはせず「自動運転」に任せています。
「やっちゃえFOMC」に対して、緩和縮小あるいは利上げという、何らかの「タカ派的」なメッセージを期待しているならば、失望することになりそうです。パウエル議長はハト派的姿勢を前面に出してくる可能性が大きい。米10年債利回りが上昇したといっても、1年前のコロナ流行前には2.0%台近くだったのですから、現在の水準が異常というわけではないのです。
でも、安心してはダメ! 今夜のFOMCの見どころは?
主要指標 終値
今日の一言
一人前になるには50年はかかるんだ。功を焦るな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く張れ - 升田幸三(将棋棋士)
ドットチャートが「リスク」
パウエル議長が、マーケットを納得させることができても、 FOMC内部から「造反者」、つまり利上げ前倒し派が出現したらどうなるか?FRBは(ECBと違って)メンバーが団結していることが政策に対する信頼感となっているだけに、マーケットは驚き、一気に利上げを織り込むことになるかもしれません。FXにとっては追い風、しかし、株式市場にとっては逆風。
FOMCメンバーの予想によると、2021年末のFF金利の予想中央値は17名全員が0.125%で据え置きを予想。2022年末は16名が0.125%据え置き、1名が0.5%の利上げを予想。
そして、2023年末の利上げ予想は、12名が0回(0.125%維持)。3名が1回(0.25%に利上げ)、1名が2回(0.5%に利上げ)、そして1名が4回(1.00%に利上げ)を予想。
FRB利上げは2024年になってからという根拠はこれです。2023年の金利予想の中央値(据え置き)を動かすには、4名が据え置きから利上げに変更する必要があります。しかし、マーケットを動かすにはおそらく1人か2人が変更するだけで充分でしょう。 今夜のFOMC、ドットチャートがリスクです。
今日の注目通貨
ドル/円: 予想レンジ:↑109.86円、↓107.92円
16日(火曜)のドル/円は円高。109.14円でスタート、高値は109.29円。しかしNY時間に109円を割り108.77円まで下落。やや戻して終値は109.01円。109円台の終値は3営業日連続。
ドル/円下落の理由になったのは、この日発表の米2月小売売上高が前月比▲3.0%と予想(▲0.5%)を大きく下回ったこと。消費拡大のサインを期待していたマーケットにはやや失望でした。ただ、今回のマイナスは、1月の反動と悪天候という一時的要因が大きいようです。
ダウ平均株価は、7日営業日続伸して史上最高値を更新したあと、この日は8日ぶりに下落。
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は108.89円。108.89円より上ならばドル買い優勢、108.89円より下ならばドル売り優勢。
111.71円 : 2020年 03月 高値(03月24日)
110.29円 : 2020年 01月 高値(01月17日)
110.23円 : 第4レジスタンス(HBO)
109.86円 : 第3レジスタンス
109.85円 : 2020年 06月 高値(06月05日)
109.49円 : 第2レジスタンス
109.38円 : 2020年 04月 高値(04月06日)
109.37円 : 第1レジスタンス
109.23円 : 2021年 03月 高値
108.89円 : ピボット
108.40円 : 第1サポート
108.29円 : 第2サポート
108.20円 : 2019年 平均値
107.92円 : 第3サポート
107.55円 : 第4サポート(LBO)
106.70円 : 2020年 平均値
106.37円 : 2021年 03月 安値
ユーロ/円: 今週の予想レンジ:↑131.56円 ↓128.34円
16日(火曜)のユーロ/円は、欧州時間に130.40円まで上昇して高値をつけた後は、円高、ユーロ安の動きで129.49円まで下落。アストロゼネカ製のワクチンの一時中止でEU(欧州連合)接種計画に支障がでるのが理由。
米国では、バイデン大統領が「5月1日までにすべての(米国)人をワクチン対象に」と宣言。欧州の経済回復が米国より遅れそうなことがユーロの重石となっています。
今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は129.95円。
129.95円より上ならばユーロ買いが優勢、129.95円より下ならばユーロ売りが優勢。
132.46円 : 2018年10月 高値
132.17円 : 第4 レジスタンス(HBO)
131.56円 : 第3 レジスタンス
130.94円 : 第2 レジスタンス
130.75円 : 第1 レジスタンス
130.39円 : 2021年03月 高値
129.95円 : ピボット
129.14円 : 第1 サポート
128.95円 : 第2 サポート
128.34円 : 第3 サポート
128.18円 : 2021年03月 安値
127.72円 : 第4 サポート (LBO)
127.49円 : 2021年01月 高値
126.10円 : 2021年02月 安値
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