ポイント2:各種経済目標がどう設定、政策がどう定義されるか?

 GDP成長率という最も注目の集まる指標が公開されない可能性があると、すでに提起しましたが、その他の経済指標はもれなく公表されるでしょう。そこには、CPI(消費者物価指数)、都市部における雇用創出数、調査失業率、財政赤字、地方政府の債券発行などが含まれます。

 これらの数字に加えて、実際に景気をどのように支えていくのかという政策も紹介されます。

「積極的な財政政策と穏健な金融政策」が近年の枕ことばのようになっていますが、今年もこれらが堅持される見込みです。基本的には、V字回復が期待される中、景気の過熱、インフレ率や不動産価格の高騰などを警戒しつつ、財政出動や金融緩和も柔軟に使いながら景気を支え、雇用を確保する過程で、消費(内需)を促していくという政策を取るでしょう。

ポイント3:科学技術、農業、エネルギーといった分野はどう重視されるか?

 2020年に顕在化した「新型コロナ×米中対立」を受けて中国共産党指導部は、世界が「新常態(ニューノーマル)」の時代に入ったと定義していると、私は認識しています。

 簡単に言えば、依然として米国がリーダーシップを取る外の世界は信用できないし、当てにならない、それよりも、新型コロナ抑制と経済再生を含め、党指導部のガバナンス力と求心力が利く国内に依拠した国家戦略のほうが予見性や掌握率が高くなる、中国という巨大なマーケットには、それだけの潜在力があるのだから、というものです。

 この意味で、私の理解では、今後、中国は技術、食料、エネルギーという三つの分野を中心に、自給自足、自力再生、自己革新を実現すべく準備を進め、食料とエネルギーに関しては、国家安全保障の観点から取り組むでしょう。

 一方、技術は中国経済の将来を左右する最重要事項だと捉えています。

「人材はある、資金もある、マーケットも巨大だ。しかしながら、肝心な技術を欧米、日韓、台湾などに依存しているようでは、国際関係で問題が生じ、中国への供給が遮断されたり、企業間取引が停止した際には、中国経済は極めて脆(もろ)い。ただ、中国の国家戦略からすれば、中国と米国をはじめとした『西側世界』との関係は長期的に緊張するリスクが避けられない。それならば、自前で開発、調達するしかない」、こういう発想です。

 私自身は、2021~2030年のスパンで実施される科学技術をめぐる基礎研究促進計画と、「中国製造2025」戦略がどう連動し、中国の技術力(軍事力にも深く影響する)向上につながっていくか、そのプロセスが国際関係や世界経済をどう脅かしていくのかに注目しています。