NYダウの値動きは落ち着きそう。NASDAQはしばらく底固めの動きに

 続いて、米国株市場の動きについても確認していきます。

■(図4)米NYダウ(日足)とMACD (2021年3月5日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 NYダウ平均株価もTOPIXと同じく、値動きは荒っぽくなっていますが、75日移動平均線がサポートとして機能したほか、週末の5日(金)時点でトレンドラインと25日移動平均線を終値ベースで維持しています。下段のMACDも上向きとなっており、相場が落ち着きそうな雰囲気が感じられます。

■(図5)米NASDAQ(日足)とMACD (2021年2月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 NASDAQについては、前回のレポートでも想定していたように、先週末の5日(金)時点で、株価が75日移動平均線を下回ったほか、MACDも0pラインを下抜けてきました。

 マイナス方向に延びたヒストグラムが縮小してプラスに転じ、株価が25日移動平均線を上抜けすることが上昇基調に復帰する条件であるため、しばらくは底固めの動きになりそうです。

 また、昨年3月下旬を起点に描いたギャンアングルでNASDAQの動きを見てみると、先週末5日(金)の株価が「2×1」ラインのところで下げ止まったことが分かります。これまでは、25日・75日移動平均線をサポートにしながら、「1×1」ラインと「2×1」ラインに挟まれたエリアの中心で推移してきましたが、今後は「2×1」に寄せていく動きもシナリオとして浮上してきました。

 NASDAQが主戦場となっている、ネット・IT・ハイテクなどのグロース株はこれまでの株価上昇に大きく貢献し、投資家から多くの資金を集めてきただけに、グロース株の不調が続くとバリュー株の受け皿だけでは賄いきれない影響がでてきますので、やはり、相場全体として上を目指していくにはNASDAQの復調が欠かせません。

 したがって、今週は売り一巡後に株価がある程度まで反発、次第に様子見ムードに変わっていき、下振れを警戒しつつ方向感を探っていく展開になりそうです。