金利上昇初期の米国株の反応

 米国で金融引き締めが始まる、あるいは長期金利が上昇を始めると、いつも「金利上昇で株高が終ってしまうのではないか」という不安が語られます。ただし、後から振り返ると、金利上昇初期は、株高と金利上昇が両立しています。以下のグラフで、2004~2005年、2016~2017年は、金利上昇と株価上昇が両立した時期です。

米長期金利とFF金利推移、NYダウと比較:2004年1月~2021年2月(19日)

 それでは、いつから株価が金利上昇を無視できなくなるのでしょうか。通常だと、景気回復が鮮明になり、景気の持続性に疑問が出るころです。2007~2008年や、2018年がその時期に当たります。

 今年についていえば、私は、米長期金利が2%に近づく、あるいは超える時は要注意と考えます。その時は、株の上昇サイクルが終わる可能性が高まると思います。今は、まだ米長期金利が1.3%なので、株高を阻害する程の金利上昇にはなっていないと思います。

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