接種率と経済回復の速さが結びつけられているワクチン相場

 投資家の焦点は、再び「ファンダメンタルズ」に戻っています。株価を支える要因としては、米議会において共和党と民主党の間で景気刺激策の協議が進展していることや、バイデン大統領が十分な規模のパッケージを通過させることの重要性を強調する声明を発表したことが挙げられます。

 一方で、コロナワクチン接種が進み、長期的な経済正常化の道筋が見えてきました。世界73カ国で1億3,100万人以上がワクチンを投与されています。日本でも接種が始まりました。米国ではコロナ感染拡大が始まって以来、ウイルスの陽性反応が出たアメリカ人よりも、少なくとも1回の投与を受けたアメリカ人の方が多いということです。2021年の世界の接種率は16%まで広がるとの予想。

 ワクチン接種率の高い国の通貨が高くなるというのは、最近のポンドの上昇に現れています。ポンドドルは約2年10カ月ぶりの高値か、ポンド円は1年2カ月ぶりの高値をつけています。接種率と経済回復の速さが結びつけられているからです。ドル高の理由のひとつにワクチン接種率があります。しかし、世界各地でワクチンが普及してくれば、米国(や英国)だけが特別ではないということで、マーケットのドル買いポジションに変化が起きる可能性もあります。