本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは106.20円
↓下値メドは105.25円
ファンダメンタルズに戻れ!
18日(木曜)のマーケットで、ドル/円は横ばい。105.86円でオープンして、高値は105.92円まで。106円台はありませんでした。ただ下も限定的で安値は105.59円まで。終値は105.68円。
米景気刺激策とワクチン展開、その副反応としてのインフレ、というのがマーケットのテーマ。
クリントン政権で財務長官、その後オバマ政権で国家経済会議議長を務めたラリー・サマーズ氏は、バイデン大統領の1.9兆ドル(約200兆円)の大型景気刺激策に対して、「現世代が経験したこともないようなインフレを引き起こすおそれがある」と警告しています。
イエレン財務長官も「(インフレの)可能性はある」と認めています。それでもなお大型景気刺激策を後押しするのは、「十分な行動をしない」ことが(インフレよりも)はるかにリスクが大きいからだと述べました。そして、バイデン景気刺激策がフルパッケージで実施されるなら、「米国は2022年には完全雇用に戻る」。
イエレン財務長官は「インフレは対処可能」と述べています。ということは、FRB(米連邦準備制度理事会)の出番(利上げ)かと思ってしまいますが、パウエルFRB議長と全米各地区の連銀総裁は、そろって早期「緩和縮小」の考えを否定しています。インフレは発生しても一過性であるというのが中央銀行の考え。ECB(欧州中央銀行)も同様の見解を示しています。
米国の経済指標は、今後数カ月は悪化する可能性が高いが、春以降のデータは目覚ましく改善するとみています。はやくも米国の1月小売売上高は、前月比+5.0%(予想+1.0%)と上向いています。
中央銀行の統一見解は、物価上昇はあくまでも一時的ということですが、一般消費者の感覚は異なります。昨日のグランデの値段で今日はスモールしか買えなくなったとき、笑っていられるでしょうか。インフレは食料品から始まるといわれています。
主要指標 終値
今日の一言
成功は、それを手放したときに、はじめて己の血肉になる
[動画で解説]ドル円106円台! 円安の「本気度」、どこまで信じる?もあわせてご覧ください
※次回の為替Walkerは、26日(金)より掲載予定です。
接種率と経済回復の速さが結びつけられているワクチン相場
投資家の焦点は、再び「ファンダメンタルズ」に戻っています。株価を支える要因としては、米議会において共和党と民主党の間で景気刺激策の協議が進展していることや、バイデン大統領が十分な規模のパッケージを通過させることの重要性を強調する声明を発表したことが挙げられます。
一方で、コロナワクチン接種が進み、長期的な経済正常化の道筋が見えてきました。世界73カ国で1億3,100万人以上がワクチンを投与されています。日本でも接種が始まりました。米国ではコロナ感染拡大が始まって以来、ウイルスの陽性反応が出たアメリカ人よりも、少なくとも1回の投与を受けたアメリカ人の方が多いということです。2021年の世界の接種率は16%まで広がるとの予想。
ワクチン接種率の高い国の通貨が高くなるというのは、最近のポンドの上昇に現れています。ポンドドルは約2年10カ月ぶりの高値か、ポンド円は1年2カ月ぶりの高値をつけています。接種率と経済回復の速さが結びつけられているからです。ドル高の理由のひとつにワクチン接種率があります。しかし、世界各地でワクチンが普及してくれば、米国(や英国)だけが特別ではないということで、マーケットのドル買いポジションに変化が起きる可能性もあります。
今日の注目通貨
ドル/円: 今週の予想レンジ:上106.57円、下104.50円
週末から来週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は105.53円。105.53円より上ならばドル買い優勢、105.53円より下ならばドル売り優勢。
107.85円 : 第4レジスタンス(HBO)
106.55円 : 2020年 09月 高値
107.21円 : 第3レジスタンス
106.57円 : 第2レジスタンス
106.37円 : 第1レジスタンス
106.23円 : 2021年 02月 高値
105.53円 : ピボット
104.70円 : 第1サポート
104.50円 : 第2サポート
104.41円 : 2021年 02月 安値
104.00円 : 2020年 09月 安値
103.86円 : 第3サポート
103.22円 : 第4サポート(LBO)
103.18円 : 2020年 11月 安値
102.59円 : 2021年 01月 安値
[動画で解説]ドル円106円台! 円安の「本気度」、どこまで信じる?もあわせてご覧ください
※次回の為替Walkerは、26日(金)より掲載予定です。
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