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ハイテクならびにインターネット・セクターの近況
広瀬 隆雄
わかりやすいグローバル投資レポート
グローバル投資に精通する広瀬隆雄氏に、新興国株式だけでなく、米国株、欧州株をはじめとする先進国株式など、海外全般の経済や投資ストラテジーをご紹介いただきます。

ハイテクならびにインターネット・セクターの近況

2017/2/6
ハイテク、インターネット・セクターの第4四半期決算が、ほぼ出揃いました。そこで今日はそれらの決算について解説します。
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【今日のまとめ】

  • ハイテク、インターネット・セクターの第4四半期決算が出揃った
  • アップルはiPhoneの売れ行きが久しぶりに良かった
  • インテルは画期的なメモリー新製品を出す
  • フェイスブックの決算は良かった
  • アルファベットの決算ではEPSが予想を下回った
  • アマゾンの決算は、まちまち
  • マイクロソフトの決算ではアジュールの好調が目立った

第4四半期決算が出揃った

ハイテク、インターネット・セクターの第4四半期決算が、ほぼ出揃いました。そこで今日はそれらの決算について解説します。

アップル

アップル(ティッカーシンボル:AAPL)の第1四半期(12月期)決算はEPSが予想$3.22に対し$3.36、売上高が予想772.6億ドルに対し783.5億ドル、売上高成長率は前年比+3.3%でした。

これまでiPhoneは3期連続で前年比割れでしたが、今回は久しぶりにiPhone販売台数が去年同期の実績7,480万台に対し7,830万台と前年比プラスに戻りました。事前予想は7,730万台でした。

アップルの場合、利益のかなりの部分をiPhoneに依存しているため、主力商品の復調は心強いです。

iPhoneは今年10周年を迎えます。このため「iPhone 8は大幅な意匠の刷新があるのではないか?」という期待が高まっています。

そのことは(新モデルが出るまで、買い替えは我慢しよう)という買い控えが出る可能性があることを意味します。

このため来期、すなわち第2四半期(3月期)の売上高は予想540.5億ドルに対し、515~535億ドルというきわめて控え目なガイダンスが提示されました。これは余り気にする必要はないと思います。

第1四半期決算の話に戻ると、サービス売上高は+18%の71.7億ドルでした。アップルは向こう4年でサービス売上高を倍増させる計画です。サービス売上高は利幅が大きいので戦略的に重要です。

今回の決算で懸念点といえば中国の売上高で、前年比-12%の162億ドルでした。アップルの中国での売上には今後も注視する必要があると思います。

インテル

インテル(ティッカーシンボル:INTC)の第4四半期決算はEPSが予想75¢に対して79¢、売上高が予想157.5億ドルに対し164億ドル、売上高成長率は前年比+10.1%でした。

部門別では、クライアント・コンピューティング・グループ売上高は+4%の91億ドル、データセンターグループ売上高は+8%の47億ドル、IoTグループ売上高は+16%の7.26億ドルでした。

第1四半期のEPSは予想61¢に対し新ガイダンス65¢、売上高は予想145.1億ドルに対して新ガイダンス148億ドルが提示されました。グロスマージンは63%を予想しています。

2017年度のEPSは予想$2.81に対して新ガイダンス$2.80、売上高予想608.5億ドルに対して新ガイダンス595億ドルが提示されています。グロスマージンは63%を予想しています。

インテルはマイクロン・テクノロジー(ティッカーシンボル:MU)とジョイント・ベンチャーを組み、3D Xpoint(=「スリー・ディー・クロスポイント」と読みます)という画期的な新製品を量産し始めています。

1947年に半導体が発明されて以来、メモリーの新技術は、これまでに6種類しか出ていません。もっとも最近のイノベーションは1989年に登場したNANDです。

3D Xpointは電子(electron)を保存するのではなく、チップの素材そのものを変質させることでデータを保存します。その手法をインテルは「バルク・マテリアル・プロパティ・チェンジ」と呼んでいます。

この方法だとNANDより1,000倍速いだけでなく、集積度も10倍になります。しかもノン・ボラタイル(non-volatile)、すなわち作業中に突然電源が落ちてもデータが絶対に失われないという特性を持っています。これは顧客の大事なデータをずっと遠い将来まで保存・管理しなければいけないクラウド・サービスを始めとするデータセンター顧客にとっては大変魅力的です。

自動運転車がアメリカ中を走り回りはじめると、それらは膨大なデータをデータセンターから遠隔的に呼び出しながら走ります。そしてその逆に自分の走行データはどんどんデータセンターにフィードバックされます。このことはデータの量が等比級数的に増えてゆくことを意味します。

このようにして、2020年までに44ゼタバイトのデータが生成されると言われています。ゼタバイトはテラバイトの10億倍です。

しかしそのような膨大なデータは、それを利用するプロセッサに接近して保存されないと、出し入れに時間がかかるようでは意味がありません。3D Xpointは集積度が高いため、レイテンシー(遅延)を小さくすることが出来ます。3D Xpointが音声認識や自動運転車にとりわけ適したメモリーだと考えられている理由はここにあります。

インテルとマイクロンは、今年、ユタ工場で3D Xpointの量産を開始します。ゆくゆく3D Xpointの価格は、DRAMとNANDの中間あたりになると予想されます。

フェイスブック

フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)の第4四半期決算はEPSが予想$1.31に対し$1.41、売上高が予想84.9億ドルに対し86.3億ドル、売上高成長率は前年比+53.1%でした。

デイリー・アクティブ・ユーザー(DAU)数は前年比+18%の12.3億人でした。予想は12億人でした。ちなみに第3四半期は11.8億人(+17%)だったのでDAU成長率は加速しました。

モバイルDAUは+23%の11.5億人でした。

マンスリー・アクティブ・ユーザー数は前年比+17%の18.6億人でした。予想は18.4億人でした。ちなみに第3四半期は17.9億人(+16%)だったのでMAU成長率も加速したことになります。とりわけインドなどのアジアにおけるMAU成長が顕著でした。これはサード・パーティーのプロモーションが一役買っています。

モバイルMAUは+21%の17.4億人でした。

広告収入に占めるモバイル比率は84%でした。

広告単価は+3%成長でした。単価の上昇には、色々な要素が絡んでいます。

今回の決算は、大統領選挙本投票の時期を含んでいるわけですが、選挙絡みの広告の出稿は、トップ10顧客ではありませんでした。売上高の伸びは、主に中小企業からのクリスマス商戦期間の出稿増という季節性によります。

2016年通年の設備投資額はガイダンスにほぼ一致する44.9億ドルでした。

フェイスブックが前回の第3四半期決算発表の際に示した「今後広告の表示頻度の増加は減速するので、売上高成長率は下がってくる」という考え方、ならびに同社の売上見通しには変更がないことが確認されました。

従業員数の増加率は2017年には加速するという見方が示されました。したがってGAAP費用成長率は+40~50%、ノンGAAP費用成長率は+47~57%になるとしています。

2017年の設備投資は70~75億ドルを見込んでいます。

インスタグラムは現在、4億人のユーザーを抱えていますが、いわゆるフォロー・モデル、すなわち「友達」にならなくても有名人などを簡単にフォローできる仕組みなので、有名人比率が高いです。広告戦略策定に際しては、本体のフェイスブックとの違いに配慮しながら、インスタグラムの特徴を生かしたやり方を目指します。またインスタグラムは広告の表示頻度はまだ低いので、今後表示頻度は上げてゆく考えです。

フェイスブックはFASB(米国財務会計基準審議会)の提唱するASU第2016-09号「従業員に対する株式に基づく報酬に関する会計処理の改善」を率先して採用しました。これにより過去に遡って会計処理の仕方が変更されています。

従来の会計基準では、ストック・オプションの権利行使にまつわる税務上の超過利益(excess tax benefit)は、払い込み余剰金(additional paid-in capital)となっていました。

しかしASU第2016-09号では、超過利益や欠損金(tax deficiencies)は納税のための法人税引当金(provisions for income taxes)から引き算されることになります。

また、ここから発生するキャッシュフローは、これまではファイナンシング活動として捕捉されてきましたが、今後は営業活動、すなわち営業キャッシュフローの変動として反映されます。

このことは今後のフェイスブックの当期利益のボラティリティ(=ブレのこと)が少し高まることを意味すると思います。

なおフェイスブックは会計報告の「GAAP(一般に受け容れられている会計基準)化」を進めています。これは良い事だと思います。

アルファベット

アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)の第4四半期決算はEPSが予想$9.62に対し$9.36、売上高が予想251.4億ドルに対し260.6億ドル、売上高成長率は前年比+22.2%でした。

売上高が予想を大幅に上回ったのはYouTube広告の好調が原因です。これによりグーグルサイトにおけるペイドクリックは+43%を記録しました。ちなみに第3四半期は+42%、第2四半期は+37%、第1四半期は+38%でした。

このように売上高が良かったにもかかわらずEPSが予想を下回ったのは、データセンター資産を一部損金計上したためです。この点に関して、決算カンファレンスコールではアナリスト達から何度も執拗に質問が繰り返されましたが、アルファベットは具体的にどんな機器ないしはソフトウェアを評価損計上したのかについては明言しませんでした。

アマゾン

アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)の第4四半期決算はEPSが予想$1.42に対し$1.54、売上高が予想446.9億ドルに対し437.4億ドル、売上高成長率は前年比+22.4%でした。

北米売上高は+22%の262.4億ドル、営業利益は+28%の8.16億ドルでした。

AWS売上高は+47%の35.3億ドル、営業利益は+60%の9.26億ドルでした。AWSは急成長を続けているには違いないのですが、成長率自体はじりじりと下がっています。その点が今回の決算で嫌気されたポイントのひとつです。

アマゾン・プライム・ビデオは200カ国でサービスを開始しました。

第1四半期売上高は予想360億ドルに対し、新ガイダンス332.5~357.5億ドルが提示されました。営業利益は2.5~9億ドルが提示されました。去年の第1四半期は11億ドルでした。

マイクロソフト

マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)の第4四半期決算はEPSが予想79¢に対し83¢、売上高が予想252.9億ドルに対し260.7億ドル、売上高成長率は前年比+1.5%でした。

プロダクティビティ&ビジネス・プロセス部門売上高は+10%の74億ドルでした。為替要因を除くと+12%でした。

アジュール売上高は+93%でした。

インテリジェント・クラウド部門売上高は+8%の69億ドルでした。為替要因を除くと+10%でした。

モア・パーソナル・コンピューティング部門売上高は-5%の118億ドルでした。為替要因を除くと-4%でした。

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