【2】地球内部のエネルギーを活用

 地球内部にも、莫大なエネルギーが存在します。地下2,000~5,000メートル掘り進むと、摂氏200~300度の高温帯に達します。そこに水を送り込み、水蒸気にしてタービンを回し、発電するという方法も開発中です。

 それが、「高温岩体発電」と呼ばれる発電方法です。まだ技術的なハードルがたくさんあり、すぐに大規模電源とはなりません。今後の技術開発に期待したいところです。

 ところで、それとは別に、早くから活用されているのが、熱水だまりを使う地熱発電です。熱水だまりとは、火山などによって水蒸気に変わった地下水が、堅い岩盤によって地下に閉じ込められている場所のことです。

 大規模な熱水だまりが見つかれば、そこから水蒸気を取り出してタービンをまわすだけで、低コストの電気が得られます。出力が安定しているので、ベース電源として使えます。

 ただし、熱水だまりを活用する地熱発電は、できる国が限られます。地熱資源(地熱発電に使える熱水だまり)を持つ国が偏っているからです(日本、インドネシア、米国は、3大地熱資源国と言われます)。

 しかも、熱水だまりを活用するだけならば、永続性のある電源とはなりません。もし、熱水だまりを開発してどんどん使ってしまったら、いずれ地熱資源は枯渇します。

 地中のエネルギーを永遠に使い続けるためには、もっと深くまで掘り進んで、高温岩体発電を実現するしかありません。高温岩体発電ならば、理論上、地球のどこでもできるし、枯渇することなく使い続けることができる電源となります。