先週の結果

週半ばまでは軟調だったが、米国、民主党の「トリプルブルー実現」で日米ともに大幅高

 先週の新春、第1週目は、年末の株高を受け継いで、しっかりした動きが想定されるものの、新型コロナウイルスの感染者数が拡大しており、5日のジョージア州の決選投票で民主党が2議席をとれるかどうかが注目されました。それまでは日経平均は3日連続安でしたが、民主党が2議席獲得した、いわゆる「トリプルブルー」を受けて、追加の経済対策への期待が高まり、NYダウは大幅高、その後は2日連続で3指標が史上最高値を更新する動きとなりました。

 この流れの中で米国株との出遅れ感から外国人が日本株を買いに入り、週後半は2日連続の大幅高となり、週末8日(金)は、+648円の2万8,139円と1990年8月8日以来(2万8,509円)の30年5カ月ぶりの高値水準で引けました。

1月4日(月):2020年末の米株高の流れから、日経平均は+131円の2万7,575円で寄り付くものの、週内にも1都3県の「緊急事態宣言」発令の検討報道を受け、マイナスへ転換し、終値では▲185円の2万7,258円と続落しました。 

5日(火):新型コロナ感染者数が2,000万人を上回ったことや、米ジョージア州での民主党が勝った場合の増税懸念から、前日の年初の米国株が、主要3指標そろって大幅反落。これを受けて日経平均は、▲107円の2万7,151円で寄り付き、一時▲184円の2万7,073円まで下げましたが、終値では▲99円の2万7,158円の続落でした。 

6日(水):サウジアラビアの減産で原油価格が上昇し、12月ISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況指数が予想を上回る強い結果となったことで、前日の米国市場は、主要3指標そろって反発。しかし、為替が1ドル=102円台の円高となったことを嫌気し、日経平均は一時▲156円の2万7,002円まで下げて、終値は▲102円の2万7,055円と4日続落となりました。 

7日(木):米ジョージア州で民主党が2議席獲得し、大統領、上院、下院が民主党一党による「トリプルブルー」実現による追加の経済対策への期待から、前日の米国市場は、NYダウが+437ドルの3万0,829ドルと急騰。為替も円安方向となったことで、日経平均は+434円の2万7,490円と大幅反発となりました。 

8日(金):民主党の「トリプルブルー」実現で次期バイデン政権による追加経済対策への期待が高まり、前日の米国市場は主要3指標そろって最高値更新。これを受けて日経平均は外国人の日本株出遅れを狙った買いで、+648円の2万8,139円と1990年8月8日(2万8,509円)以来の30年5カ月ぶりの高値水準となりました。日本の上昇は、米株式に連動して相対的に買われているだけの上昇です。米国株自体も、これまでの市場の見方は、議会のネジレのない民主党の「トリプルブルー」が実現し、金持ち優遇税制の廃止、規制強化を主張していますので、株式市場にとってはマイナスというものでした。しかし、これには全く触れず、いいとこどりの上昇相場となっています。いずれトランプ大統領がやってきた金融緩和策と株高の調整局面が民主党政権のもとで起こることになります。

引け後の米国市場:民主党政権への景気対策への期待が強い中、3日連続で主要3指標は史上最高値を更新しました。しかし、2020年12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比14万人減と8カ月ぶりにマイナスを記録しました。市場予想は、7万1,000人のプラスでした。新型コロナ感染拡大による雇用情勢の悪化が示されましたが、バイデン政権への期待から下値の堅い展開が続きました。

11日(月):日本市場は休場でした。米国市場は、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が加速していることで、経済活動が規制されるデメリットに対する警戒感や、バイデン新政権のスタートを目前に控える米国で、トランプ大統領の罷免(ひめん)問題など政局不安が浮上し、全体相場の上値を押さえる要因となり、NYダウは終始軟調な展開で▲89ドルの3万1,008ドルとマイナスで引けました。