1億円の資産づくりステップ3:自分のお金の現実に向き合う

 下表は日本人男女の平均給与を調査したものです。ただし、平均的な収入を得ていても、独身の人と、結婚して子どもがいる人では、両者の生活と家計の収支は異なり、ライフステージも人によってさまざま。また、収入が増えている時期もあれば、支出が増えてしまう時期もありますし、資産運用でうまくいっているときも、そうでないときもあるでしょう。

出所:国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査」調査結果報告

お金を増やす一番強い味方は「時間」

 そこで、資産を増やすため味方にすべきは「時間」です。特別な事情がない限り、全ての人に平等に与えられています。

 たとえば、目標にした資産額を作るまで十分な時間があり、毎年100万円を貯めていくことができれば、10年で1,000万円、30年で3,000万円になります。

 今まであまり貯金できなかったという人も、時間を味方にして正しい計画を立て、これを確実に実行すれば、1億円の資産づくりはかなえることができます。

 では、ご自身の今の家計では、毎年いくら貯めることができるでしょうか。

 あくまで「貯めているか」ではなく、「貯めることができるか」にフォーカスします。これはすなわち1億円の資産づくりのための貯蓄額はいくらか? ということでもあります。

 そのためには、これから現在の収入と支出、貯蓄額を明らかにし、収支を見直し、より貯蓄ができる家計を作ります。

 続いて、将来考えられる収入の推移や、想定される支出項目を具体的にして、実現性の高いライフプランを作成します。留意点として、ライフプランの作成し始めは理想を追いすぎる傾向があり、次第に無理が生じてきます。そのため、いくつものパターンを考えたり、何度もシミュレーションしたりすることが重要です。

 なぜなら、この現実と将来像とを少しずつ結び付けていく作業こそが、1億円達成への大事な第一歩となるからです。