<2021年日経平均どうなる?>
1:日経平均は、9月ごろに3万円まで上昇
私の予想を、以下の通り、グラフに描きました。9月まで、2021年の世界景気回復を織り込んで上昇するものの、10月以降、2022年の世界景気減速を織り込んで反落するイメージです。
2021年の日経平均予想
日経平均について以下の通り、予想しています。
(1)2021年1~3月:一時2万5,000円まで反落
(2)2021年9月ごろ:3万円まで上昇
(3)2021年末:2万8,000円まで反落
私が、1年間の日経平均予測を作る時、最初に考えるのは、世界および日本の景気動向です。日経平均は、景気変動をおおむね半年~1年先取りして動く傾向があるからです。私は、2021年は世界景気が急回復、年末にかけて米国などでやや過熱するとみています。2022年は、その反動で世界景気が減速すると予想しています。
2021年の9月までは、2021の世界景気回復を織り込み、世界的に株高トレンドが続くと予想しています。ところが10~12月は、2022年の世界景気減速を織り込み、世界的に株安となると予想しています。
参考まで、近年の景気循環と日経平均の動きをご覧ください。
景気循環と日経平均の動き:2007年1月~2020年12月23日
ご覧いただくとわかる通り、日経平均は、景気循環を少し先取りしながら動いています。以下、グラフ内にある3つの景気後退期と、2つの景気停滞期を解説します。
(1)2008年2月~2009年3月:リーマンショック
日経平均は景気後退期に入る約1年前にピークアウトして下げ始めていました。景気後退が終わるとほぼ同時に日経平均は急反発を始めています。
(2)2012年3月~11月:民主党政権下での不況
2012年12月に安倍元首相によるアベノミクスが始まってから景気回復、日経平均は急反発しました。
(3)2014年4~6月:消費増税による景気停滞
日経平均は景気停滞期に入る前の2013年12月に高値をつけ、下げ始めていました。景気停滞は3カ月と短く、停滞期に入ってからは次の景気回復を織り込んで日経平均は反発しています。
(4)2015年10月~2016年3月:チャイナショック、資源安ショックによる世界経済の停滞
この時、中国・米国はじめ世界中の景気が悪化しました。景気後退すれすれまで悪化しましたが、景気後退期の定義は満たさなかったので、景気停滞期としています。日経平均は、景気停滞期に入る3カ月くらい前から下げ始めています。ただし、底打ち・反発の時期は、景気回復期に入った後でした。
(5)2018年10月~2020年6月:貿易戦争・コロナショック不況
米中貿易戦争の影響で、世界的に製造業の景況が悪化し、2018年10月から日本は景気後退期に入りました。日経平均はそれとほぼ同時に下落を始めました。2019年末には一時景気回復期待が高まり、日経平均は上昇していましたが、20年に入りコロナショックで4~6月は戦後最悪の景気落ち込みに見舞われました。ただし、7月以降、世界景気は回復に入っているもようです。
日経平均は、今年7月から始まり来年に続いていくと考えられる世界景気回復を織り込んで、4月から上昇し続けています。2021年9月には、一時3万円をつけると予想しています。