静かなドル/円
ドル/円は相変わらずパッとしない動きをしています。104円を中心に±50銭の動きとなっており、この3週間を見ても値幅は1円前後が続いています。
12月15~16日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されますが、追加金融緩和というよりもフォワードガイダンス(金融指針)の強化という見方が多いようです。しかし、ECB(欧州中央銀行)が追加緩和を決定しても相場は大きく動かなかったことから、フォワードガイダンスの強化だけでは大きく動きそうもありません。
一方で欧米は新型コロナウイルスの感染拡大抑制のため、クリスマスから新年にかけて行動制限を強化し始めています。日本も28日から1月11日まで「Go Toトラベル」の一時停止を決定しました。これらの行動制限は通常のクリスマス・新年シーズン以上に相場を動きづらくさせるかもしれません。そういう静かな相場地合いになっても、上下のテクニカルポイントは把握しておくと役に立ちます。
前回、ドル安の構図を解説し、1ドル=100円の見方が増えてきているというお話を紹介しました。100円にいくとしても、いきなりストンといくわけではなく、節目節目で攻防が見られます。直近では11月の安値である1ドル=103.20円近辺、そして3月の安値である101.20円近辺で攻防することが予想されます。
円安に反発した場合はどうでしょうか。
注目するポイントとして心理的節目(5円刻み)である1ドル=105円(大手輸出企業の想定レートでもある)。そして、8月の高値である107円近辺、7月の高値である108円前半が注目されますが、それらのポイントに加えて、上記の想定為替レートである105.40円、106.42円にも留意しておく必要があります。大手輸出企業は、年末年始の休暇中にそれらの近辺にドル売りオーダーを置いておくことも十分に考えられえるからです。