流動性相場はグロース株に、業績相場はバリュー株に有利
米国市場では、総じてグロース株がバリュー株に対し優勢を維持して久しい状況にあります。換言すると、バリュー株はグロース株に劣後してきました(図表3)。
グロース株は市場平均と比較して高い収益成長ペースを見込める分、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が高水準で推移する特徴があります。グロース株投資はバリエーションよりも成長性(利益拡大のモメンタム)を重視する手法と言えます。
一方、バリュー株はPERやPBRが低い(配当利回りが高い)銘柄群を総称します。注意点は、バリュー株(割安株)に属している理由として「成長期待に乏しい」との見方が見え隠れしていることです。
本年は、グロース株の中心を担うDX分野の成長期待と業績堅調が鮮明となっており、グロース株の優勢が目立つ一方、景気敏感株や金融株のウエートが高いバリュー株は劣勢です。投資環境の変化次第で株価が揺れやすい特性もありますが、グロース株に分散投資する意義を認識したいと思います。
ただ、景気回復に確信を深める「業績相場」が本格化すれば、2021年に景気敏感株と金融株が主導して「バリュー株の戻り」が鮮明となる展開も考えられます。