2:高シェア+ソフトウエア

 企業向けソフトウエアで高シェアのマイクロソフト(MSFT)アドビ(ADBE)は、コロナ禍で厳しい環境であったにもかかわらず、2桁の増収率が維持できています。

 マイクロソフトは、OS(オペレーティングシステム)の「Windows」、オフィスツールの「Microsoft Office」で世界1位のシェアを誇るビジネス向けITサービス企業ですが、足元では、パブリッククラウドの「Azure」が成長をけん引しています。

 今後も、盤石な顧客基盤と、クラウドサービス等の顧客需要に沿った新サービスを展開することにより、業績拡大が続く見込みです。来期、企業のIT投資が回復すれば追い風が吹くことになるでしょう。

 アドビは、Photoshop、Illustrator、Adobe Acrobatなどを世界的に展開するソフトウエアメーカーです。

 Photoshopはグラフィックデザイン分野のソフトウエアとして高いシェアを有しています。Adobe Acrobatは、電子文書フォーマット「PDF」の作成ソフトで、ウェブサイト上でも使うことができ広く利用されています。

 また、これらコンテンツ制作分野のサービスから派生したマーケティングサポートに強みを持つこともアドビの特徴です。企業のウェブサイトや広告は、最終的に消費者と接点を持ち、購買などのアクションを促すことに目的がありますが、アドビはその目的が達成されるように、ターゲットユーザーの分析や広告展開のサポートを行っています。

 12月に入り発表された第4四半期決算も堅調で、第4四半期および2020年度通年で過去最高の業績を達成しました。業務や買い物のオンライン化が進む中、電子書面やオンライン上のデザイン・広告需要が伸び、その恩恵を受けていると考えられます。当面はこのトレンドに乗り、業績は拡大傾向が続くでしょう。