2種類の条件で選定、初心者向け米国株5選
新型コロナウイルスワクチンの実用化を背景に、堅調に推移する米国株式市場。足元では、一部のバイオテックやIPO(新規公開株)銘柄が脚光を浴びていますが、実績に乏しい銘柄には上昇、下落、どちらのリスクも伴います。
今年、米国株式市場に参入された方、これからのスタートを検討している方向けに、堅牢さと成長性を兼ね備えていると考えられる企業を5社紹介します。
初心者向けの米国株5選
ティッカー | 銘柄名 | 事業内容 | |||
1:30年以上増配+業績堅調 | |||||
PG | プロクター・アンド・ギャンブル | 家庭用品、化粧品 | |||
PEP | ペプシコ | 飲料、お菓子 | |||
KMB | キンバリー・クラーク | 紙おむつ、紙製品 | |||
2:高シェア+ソフトウエア | |||||
MSFT | マイクロソフト | ソフトウエア、インテリジェントクラウド、ゲーム | |||
ADBE | アドビ | ソフトウエア、デジタルエクスペリエンス | |||
作成:楽天証券 |
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1:30年以上増配+業績堅調
高配当利回り株は、個人投資家の間で人気のテーマですが、2020年は一部の企業が配当を見直すなど、改めて高配当株ならではのリスクが意識された年となりました。増配を実現できたとしても、AT&Tのように、年初来ではいまだ大きく下落している銘柄があることに注意が必要です。
一方で、増配銘柄のうち健闘しているのが、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ペプシコ(PEP)、キンバリー・クラーク(KMB)です。3銘柄についてはすべて、30年以上連続増配をしてきた実績に加え、2020年も業績の大きな落ち込みを回避して増配を継続し、さらに、来期以降も堅調な業績が予想されている企業です。
プロクター・アンド・ギャンブルとキンバリー・クラークは、外出が自由にできない中、消費者が日用品を買い込んだこともあり、今期は10%近い増益で着地すると予想されています。来期についても、引き続き、消費者が自宅に日用品をストックする傾向が残ることや、コスト削減によって、増益となる見込みです。
ペプシコについては、コカ・コーラが今期10%減益予想であるのに対して、1%の減益にとどまり、2021年以降は2桁近い増益が期待されています。
競合のコカ・コーラは主軸がドリンクですが、ペプシコの場合、スナック菓子なども積極的に取り扱っています。フリトレーという、米国ではどこのスーパーでも置かれているポテトチップスなどを展開している企業を傘下におさめており、これがコロナ禍でも堅調に推移しました。売上のリスクヘッジという点では、ペプシコのほうに分があるようです。
2:高シェア+ソフトウエア
企業向けソフトウエアで高シェアのマイクロソフト(MSFT)とアドビ(ADBE)は、コロナ禍で厳しい環境であったにもかかわらず、2桁の増収率が維持できています。
マイクロソフトは、OS(オペレーティングシステム)の「Windows」、オフィスツールの「Microsoft Office」で世界1位のシェアを誇るビジネス向けITサービス企業ですが、足元では、パブリッククラウドの「Azure」が成長をけん引しています。
今後も、盤石な顧客基盤と、クラウドサービス等の顧客需要に沿った新サービスを展開することにより、業績拡大が続く見込みです。来期、企業のIT投資が回復すれば追い風が吹くことになるでしょう。
アドビは、Photoshop、Illustrator、Adobe Acrobatなどを世界的に展開するソフトウエアメーカーです。
Photoshopはグラフィックデザイン分野のソフトウエアとして高いシェアを有しています。Adobe Acrobatは、電子文書フォーマット「PDF」の作成ソフトで、ウェブサイト上でも使うことができ広く利用されています。
また、これらコンテンツ制作分野のサービスから派生したマーケティングサポートに強みを持つこともアドビの特徴です。企業のウェブサイトや広告は、最終的に消費者と接点を持ち、購買などのアクションを促すことに目的がありますが、アドビはその目的が達成されるように、ターゲットユーザーの分析や広告展開のサポートを行っています。
12月に入り発表された第4四半期決算も堅調で、第4四半期および2020年度通年で過去最高の業績を達成しました。業務や買い物のオンライン化が進む中、電子書面やオンライン上のデザイン・広告需要が伸び、その恩恵を受けていると考えられます。当面はこのトレンドに乗り、業績は拡大傾向が続くでしょう。
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