9:ファンドマネジャー発信のメッセージに注目

 ファンドマネジャーとは、投資信託の組成・運用をおこなう運用会社に在籍する、いわばプロの運用者です。アクティブファンドの場合は特に、ファンドマネジャーのプロの運用者としての理念がファンドのポートフォリオに色濃く反映され、最終的に運用成績という結果として表れます。投資するファンドを選ぶ際は、「この会社なら、この人なら任せられる」という安心感を得られるかどうかも一つの重要な判断ポイントになります。

 2020年は、動画や運用報告会セミナーなどを通じてファンドマネジャーが直接個人投資家に向けて情報を発信する機会が増えたほか、月次報告書や臨時レポートにファンドマネジャーのコメントを掲載する運用会社も増えたように見受けられました。アクティブファンドで相対的に高い報酬を負担するということはつまり、そのフィーで「ファンドマネジャーを雇う」ことと同義です。動画やセミナーのアーカイブなどは、運用会社のウェブサイトで公開されていることも多いので、ぜひ積極的に活用し、ファンドマネジャーへの理解を深めることに役立ててください。

10:低リスクバランス型が脚光浴びる

 先述した通り、世界的な金融緩和政策にともなう金利低下により、債券は事実上、ポートフォリオの「緩衝材」としての機能も失いつつあります。そこで、債券などの安定資産の代替としてより注目度が高まったのが、低リスクバランスファンドです。

 春先の相場急変時に耐性を示した「投資のソムリエ」は、4,000億円目前まで残高を伸ばしたほか、「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド(愛称:クアトロ)」も、同じく「コロナ・ショックに耐えた」低リスクバランスとして一定の地位を確立しました。

 ポートフォリオの一部にこうしたファンドを取り入れることで、相場急変時に保有資産全体が大きく毀損(きそん)することを防げるほか、「減らしたくない」資産の投資先としても活用できます。